富田悠太から初勝利の前田透空が全勝優勝、西岡賞は3位の遊川大和 [Yoshi's CUP]
日本男子ナンバーワンのプロテニスプレーヤーである西岡良仁(ミキハウス)が主催する『Yoshi's CUP』(12月17、18日/東京都西東京市・早稲田大学東伏見三神記念テニスコート/室内ハードコート)の大会最終日は、初日のラウンドロビン(グループ内総当たり戦)で1位と2位の選手による決勝トーナメントと同3位と4位の選手による順位決定トーナメントが行われた。
決勝トーナメントはグループA首位の富田悠太(ノア・ジュニアテニスアカデミー神戸垂水)がグループB2位の遊川大和(関西高校)を6-3で、グループB首位の前田透空(相生学院高校)はグループA2位の本山知苑(四日市工業高校)を6-3で下してそれぞれ決勝進出を決めた。
準決勝1試合目の立ち上がりは遊川の積極的なネットアプローチが成功して第3ゲームで先にブレークを果たしたが、昨年の大会で準優勝をおさめた富田も負けじと攻撃的なプレーを試み第5ゲームでブレークバックに成功した。富田から5-3となった遊川のサービスゲームでは長いデュースが続いたが、富田が6本目のマッチポイントをものにして試合を締めくくった。
もうひとつの準決勝は本山が序盤で攻撃的なプレーを見せて前田のサービスゲームを破ったが、緊張が解けてきてボールに伸びが生まれた前田が次のゲームでブレークバック。本山の得意なバックハンドを封じてフォアハンドのラリーに持ち込んだ前田が決勝に進出した。
決勝は深いストロークで押し込んだ前田が立ち上がりに5-2とリードを広げたが、「今年は絶対に優勝したい」という思いで臨んだ富田が思いの強さで挽回してタイブレークに持ち込み5-1までリードした。しかしそこから窮地に立たされた前田が捨て身のフォアハンドを炸裂させ、タイブレークを8-6でものにして第1セットを先取した。第2セットは意気消沈した富田をさらに攻め立てた前田が6-1で奪取し、富田への初勝利とともに優勝を手中におさめた。
表彰式では優勝の前田には200万円の活動支援金が贈呈され、西岡が独自の視点で選んだ西岡賞(活動支援金50万円)には遊川が選ばれた。
【コメント】
優勝◎前田透空
「支援金のことはあまり考えず、1回戦と同じようにただ試合を楽しむということを一番の目標に戦いました。松山のITFで単複優勝できたのが自信に繋がっていて、試合では劣勢の状態でもあまり負ける気がしませんでした。今はITFジュニア400番くらいなので、100位以内、50位以内を目指していきたいと思います」
準優勝◎富田悠太
「相手のプレーがよかったのが一番ですが、勝ちきれない取りきれないところがありました。タイブレーク5-1でリードしたところで、少し後ろに下がってしまったのが自分の甘いところです。そこが自分の弱さでもあり、今後プロの大会、海外の選手と戦っていくには一番の課題となるので、日々の練習でも甘えることなく取り組んでいきたいと思います」
西岡賞◎遊川大和
「まさか自分が貰えるとは思っていなかったのですが、西岡選手が言ってくれたように最後までファイトしたことが報われて選ばれたのでうれしいです。優勝はできなかったのですが、皆さんが観てくれているので、諦めずに最後まで走りきるということも目指していたので、とてもうれしいです。ITFのランキングもまだ低いので少しでも上げていきたいし、来年はJTAの大会も積極的に出て全日本選手権を目指したいと思っています」
西岡良仁◎大会ディレクター
「遊川君は僕が見て気持ち的に一番頑張れそうなメンタリティを持っていたので、西岡賞に選びました。富田君は2年連続準優勝となったのですが、この悔しさをバネにして頑張って欲しい、頑張れると思ったのであえて選びませんでした。
今年は昨年一度やったこともあり、いろいろなものが円滑でしたし、映像も含め、必要な部分もわかり、スムーズに運ぶことができました。また、何よりスポンサーが去年より増えたのがよかったと思います。来年は西岡賞の賞金を上げたいですし、ITFのワイルドカードをもう少し多く出すことができればと思っています」
【最終順位】
優勝 前田透空(相生学院高校)※活動支援金200万円
準優勝 富田悠太(ノア・ジュニアテニスアカデミー神戸垂水)
3位 遊川大和(関西高校)※西岡賞(活動支援金50万円)
4位 本山知苑(四日市工業高校)
5位 伊藤拓(新田高校)
6位 永嶋煌(J STRUCT)
7位 武藤守生(福岡パシフィックTA)
8位 川西飛生(TEAM KIT)
(情報提供◎Yoshi's CUP)
大会ディレクターの西岡良仁(ミキハウス/前列中央)と出場したジュニア選手たち(写真提供◎Yoshi's CUP、撮影◎長浜功明)
写真提供◎Yoshi's CUP、撮影◎長浜功明
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