「ただプレーにだけ集中した」西岡良仁がシャポバロフを倒してキャリア2度目のツアー優勝 [韓国オープン]
ATPツアー公式戦の「Eugene韓国オープン・テニス選手権」(ATP250/韓国・ソウル/9月26日~10月2日/賞金総額123万7570ドル/ハードコート)の男子シングルス決勝で日本の西岡良仁(ミキハウス)が第4シードのデニス・シャポバロフ(カナダ)を6-4 7-6(5)で倒し、キャリア2度目のツアー優勝を飾った。
相手の攻撃的なショットをカウンターで切り返した西岡は、ベースラインからの目覚ましいパフォーマンスで第1セットを先取した。試合が進むにつれてシャポバロフもリズムを掴んでいったが、西岡が動きのよさとディフェンス力を発揮して第2セット1-3から巻き返し、もつれ込んだタイブレークでも堅固さを維持して1時間55分の戦いを制した。
同じく戦術的に秀でたプレーで第1シードのキャスパー・ルード(ノルウェー)に対する準々決勝で金星を挙げていた西岡は、「今週は僕にとって驚くべきものだった」とこの1週間を振り返った。
「僕は非常にいいプレーし、メンタリティとコートでの振る舞いもよかった。ただプレーにだけ集中した。それが非常に重要だったと思う。かなり競った試合がいくつかあったけど、どうやって相手を倒すか考えて解決策を見つけようとして非常にいいプレーができた。僕が勝つためには、どんな試合でもこうやってプレーする必要があるんだ」
この日の西岡にとってカギとなったのは、恐らく第1セット第7ゲームを0-40からキープできたことだった。それに先立つ試合でも見せてきた奮起の力で重要なゲームを抑えた西岡は自信を得たように見え、非常にいい動きでシャポバロフを困難に陥れた。
自らのボレーミスで第1セットを終えたシャポバロフは第2セットで気持ちを切り替えアグレッシブなプレーで3-1とリードしたが、ここでも西岡が不屈の精神とディフェンス力を発揮してタイブレークの末に勝利をもぎ取った。
14対38とウィナー数では相手に劣りながらも重要なポイントをものにしてストレート勝ちをおさめた西岡は、「今日はリターンがよかった。彼のサービスとフォアハンドが強いことは知っているけど、それが炸裂しても気にする必要はなかった。とにかくより多く返球して彼にプレッシャーをかけることに集中し、チャンスがあれば決めにいった。でも何よりもまずどんなボールでも返し、バックハンド側にボールを集めて彼を動かそうとしたんだ」と試合を分析した。
大会中に27歳になった西岡は2018年9月の深圳に続くツアー2勝目を挙げたが、日本人選手がATPツアーのシングルスで複数のタイトルを獲得したのは通算12勝を挙げている錦織圭(ユニクロ)に続いて西岡が史上2人目となる。彼は今週の活躍でランキングの動向をリアルタイムで伝える新しいATPライブランキングで41位に浮上し、キャリアハイを更新した。
準優勝に終わったシャポバロフは、「まずはヨシ、おめでとう。今年は信じられないようなプレーをしているね。君とプレーするのは凄く面倒だよ」と表彰式のスピーチでジョークを交えながら西岡を称えた。
「僕にとっては非常にフラストレーションが溜まる試合だった。僕は何とか道を見つけ出そうとトライし、できることはすべてやった。だから、おめでとう。君のコーチにも賛辞を送る。君たちは勝利に値した」
これに先立ち行われたダブルス決勝では、第1シードのレイブン・クラーセン(南アフリカ)/ナサニエル・ラモンズ(アメリカ)が第2シードのニコラス・バリエントス(コロンビア)/ミゲル アンヘル・レイエス バレラ(メキシコ)を6-1 7-5で下してチャンピオンに輝いた。
写真◎Getty Images
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