準優勝からのステップアップを目指すチチパス「僕は生まれながらのチャンピオン」 [オーストラリアン・オープン]

写真は男子シングルス表彰式でケン・ローズウォール(オーストラリア/左)から準優勝プレートを受け取るステファノス・チチパス(ギリシャ)(Getty Images)


 今年最初のグランドスラム大会「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦1月16~29日/ハードコート)の男子シングルス決勝で第4シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が第3シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)を6-3 7-6(4) 7-6(5)で退け、2年ぶりに王座を奪回するとともに世界ナンバーワンに返り咲いた。

 ジョコビッチがグランドスラム大会でタイトルを獲得したのは昨年のウインブルドン以来で通算22回目となり、男子の最多記録を持つラファエル・ナダル(スペイン)に追いついた。

 世界ランク1位になるチャンスを逃したチチパスは、「またグランドスラム大会で決勝に進出できてうれしい。昨夜もトロフィーを掲げる夢を見たよ。強い願望があるの確かだ。本当に本当にそれ(タイトル)が欲しいよ。しかし夢を見ているだけでは実現しない。行動を起こさなければならない。もっと存在感を出し、よりよくやらなければならないんだ」と試合後にコメントした。

「準決勝で立ち止まっているより、決勝でプレーするほうがずっといいのは明らかだ。僕は一貫してグランドスラム大会やマスターズの大会で優勝できるようになるため、更なる一歩を踏み出さなければならない」

 3戦目まではジョコビッチに2勝1敗と勝ち越していたチチパスだが、それから10試合連続で敗戦を喫している。グランドスラム決勝では2021年フレンチ・オープンで一度対決し、ジョコビッチが2セットダウンから挽回して6-7(6) 2-6 6-3 6-2 6-4で勝っていた。

 この試合でチチパスが勝てばギリシャ人として初のグランドスラム制覇と世界1位になることができたが、悲願を達成することはできなかった。彼は昨年も成績次第で世界1位になるチャンスを手にしていたが、やってのけることができなかった。

「僕は自分の仕事(テニス)で最大限のことをやってのけたい。世界1位は頭の中にある」と野望を隠さないチチパスは、「簡単には実現しないことはわかっている。それを実現させるためにはもっと頑張らなければならない。今日は世界1位になるチャンスだった。しかしネットの向こう側には僕よりも遥かに強い選手がいた。彼は今、その地位に値する」と語った。

「僕は生まれながらのチャンピオンだ。それを血の中に感じるし、もっと若かったときにも子供心に思っていた。それは僕の中にあるんだ。僕はそれを結果として証明したい。花を咲かせ、もっと強く愛情を込めて目標達成に向けて邁進したい。ナンバーワンというのは美しい響きだ。それを実現したときは物凄く感情的になるだろうね」

 過去3度敗れていた準決勝の壁を突破してひとつひとつステップアップしたチチパスは一定の満足感を示しながらも「今日の状況を考えると、もっと改善できることは間違いなくある」とより多くを求め、「でも今日の敗戦に影響を受ける理由はないと思う。これは前進だ。今季のうちにもっとポイントを稼ぎ、もっといい成績を挙げてより大きなタイトルを目指して戦うことを楽しみにしている」と先を見据えた。

「僕は自分のプレー、コートでの振る舞い、メンタル面の安定感、集中力のレベルはいいものを持っていると思っている。全体的に付け加えるべきことはまだ少しあるけどね。その道に進んでいくことにこれ以上ないくらいわくわくしているよ」

 足りないものがあったにもかかわらずチチパスはジョコビッチに対して40本のウィナーを決め、第2セット5-4からのレシーブゲームではセットポイントを握った。

「彼といい試合をするためにできることはすべてやった。僕のチームは特に今日のために最善を尽くしてくれたし、僕もすべてを出し尽くした」とチチパスは試合を振り返った。

「ノバクは対戦相手を限界まで追い込む選手だ。僕はこれを呪いや迷惑なことだとは思わない。彼のようなチャンピオンがいることは、スポーツにとって非常にいいことだ。彼は僕をよりよい選手にしてくれたし、対戦を重ねるごとに彼は僕の集中力をどんどん高めてくれる。彼とプレーするときは真剣に向き合い、試合に没頭しなければならないんだ」

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写真◎Getty Images

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