カラツェフに予選決勝の借りを返したストルフがATPマスターズ1000大会で史上初となるラッキールーザーから決勝進出の快挙 [マドリッド・オープン]

写真はヤン レナード・ストルフ(ドイツ)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦「ムトゥア・マドリッド・オープン」(ATP1000/スペイン・マドリッド/4月26日~5月7日/賞金総額879万6536ユーロ/クレーコート)の男子シングルス準決勝でラッキールーザー(予選決勝で敗れたが欠場者が出たため本戦出場権を得た選手)のヤン レナード・ストルフ(ドイツ)が予選勝者のアスラン・カラツェフ(ロシア)を4-6 6-3 6-4で倒し、同種目でのツアー初優勝に王手をかけた。

 ワンブレーク差で第1セットを落としたストルフは第2セット以降のサービスゲームをすべてキープし、続く2セットで一度ずつ相手のサービスゲームを破って2時間19分で勝利をもぎ取った。ストルフは今大会の予選決勝でカラツェフに4-6 2-6で敗れていたが、より大きな舞台でその雪辱に成功した。

「アメージングだ。予想外のことだ。以前にミュンヘンで決勝を戦ったことがあるけど、コロナ禍で観客がいなかったんだ。今ここには素晴らしい観客がいる。日曜日もたくさん来てくれるだろう。皆が僕を応援してくれる訳じゃないけど、それは問題じゃない。決勝に進出できて本当にうれしいよ」と33歳のストルフは試合後のオンコートインタビューで語った。

 ラッキールーザーの選手がATPマスターズ1000大会で決勝に進出したのは、史上初の快挙となる。昨年3月にマイアミの1回戦で右足を負傷したストルフは一時世界ランクを160位以下まで落としたが、ランキングの動向をリアルタイムで伝えるATPライブランキングで2020年8月にマークした自己最高の29位を上回る28位に浮上した。

 ストルフは決勝で、第17シードのボルナ・チョリッチ(クロアチア)を6-4 6-3で破って勝ち上がった第1シードのカルロス・アルカラス(スペイン)と対戦する。2週連続優勝と大会連覇を目指すアルカラスは昨年からスペインで開催されたツアー公式戦で負けておらず、連勝を「20」に伸ばした。

「彼(アルカラス)には一度勝った(1勝1敗)ことがある。確か2021年(フレンチ・オープン3回戦)のことだけど、彼のような若い選手にとって2年という期間は長い。昨年のウインブルドン(1回戦)では素晴らしい試合をした。もう少しで勝てそうだったけど、彼は(第4セットの)タイブレークで信じられないようなショットを繰り出してきたんだ。今回はまた違った試合になるだろうね。ここは彼のホームであるスペイン、マドリッドだ。彼はスペインのクレーコートで20勝0敗だったと思うけど、当然ながらかなり厳しい戦いになることを覚悟しているよ」とストルフは次戦を見据えた。

「思いきってぶつかっていくよ。そうしなければチャンスはないからね。僕は彼を倒し、(シングルスで)初タイトルを獲得するために全力を尽くすつもりだ」

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

写真◎Getty Images

Pick up

Related

Ranking of articles