「ロレックス・パリ・マスターズ」（ATP1000／フランス・パリ／10月28～11月3日／賞金総額579万1280ドル／室内ハードコート）の男子シングルス決勝で、第1シードのノバク・ジョコビッチ（セルビア）がデニス・シャポバロフ（カナダ）を6-3 6-4で倒して優勝を飾った。この試合でのジョコビッチは堂々とし、威圧的に見えた。彼はマスターズ大会で34回目のタイトル獲得を果たし、キャリア最多記録保持者のラファエル・ナダル（スペイン）まであと一歩というところに迫った。

　32歳のジョコビッチはその栄光に満ちたキャリアで獲得したタイトルは「77」に達し、さらにそこに多くを追加していくことを意図してもいる。

「僕はそれを普通だとか、よくあるなどとみなし、当然だと思うような真似はしない。キャリアでこれほど多くの重要なタイトルを獲ることができて僕は幸運だ」とジョコビッチは語った。「それが僕が変わらずプロテニスをプレーしている理由なんだ。これら大きなトロフィーのために戦い、最高レベルでプレーすることができるということが」。

　シャポバロフは体力を消耗させられる試合になるかもしれなかった準決勝を、ラファエル・ナダル（スペイン）が腹筋を故障して棄権したため免除されていた。そのため彼は肉体的に活力があったにもかかわらず、試合の大半で差を見せつけられていた。初のマスターズ決勝をプレーした20歳のシャポバロフが勝つほうに賭けた者は、そういなかったことだろう。

「僕はセカンドサーブのときに彼をプレッシャー下に置き、コートの後方から非常に堅固なプレーをした。彼にあまり多くのチャンスを与えなかったと思うよ」とジョコビッチは振り返った。ジョコビッチは週の出だしに、のどの痛みに苦しめられて体調がすぐれない様子だったが、「週の後半は素晴らしかった。レベルが試合ごとに向上していったよ」と話した。

　ジョコビッチは今季5度目のATPタイトル獲得までの道のりで、決して何かに煩わされているようには見えなかった。5タイトルはドミニク・ティーム（オーストリア）と並び、今季のATPツアーで最多の数だ。

「サービスに関しては今大会最高の出来だった。デニスは少し集中力を失ったんじゃないかな」

「彼はサーブで本当に厳しいスポットをついてきたので、僕にとってリズムを見つけるのがたいへんだった」とシャポバロフはコメントした。「彼は本当にいい場所に入れてきた。読むのは容易ではなかったよ」。

　ダブルス決勝も行われ、第7シードのピエール ユーグ・エルベール／ニコラ・マウ（ともにフランス）がカレン・ハチャノフ／アンドレイ・ルブレフ（ともにロシア）を6-4 6-1で倒して大会を制した。(C)AP（テニスマガジン）

※トップ写真はノバク・ジョコビッチ（セルビア）
PARIS, FRANCE - NOVEMBER 03: Novak Djokovic of Serbia celebrates the victory of the final match against Denis Shapovalov of Canada on day 7 of the Rolex Paris Masters, part of the ATP World Tour Masters 1000 held at at AccorHotels Arena on November 3, 2019 in Paris, France. (Photo by Catherine Steenkeste/Getty Images)