ルイ・カイエ_最新ダブルス入門_vol.06「テニスが変わる 動きが速くなる! リカバリー強化」_初心者から国際レベルのプレーヤーまで、同じアプローチで上達できる!

ルイ・カイエがカナダで発展させてきた指導法『The Actions Method【アクションズ・メソッド】』。それは“Game based approach”=試合をベースにした指導アプローチで、彼はその重要性を早くから提唱し、世界各国の指導に大きな影響を与えてきた。ITFワークショップ(世界の指導者を対象とした国際テニス連盟主催の研修会)で積極的に講師を務め、各国テニス協会、テニスクラブ、テニスアカデミーのコンサルタントとしても活躍するカイエが、これからテニスマガジン誌上で、日本のすべてのプレーヤーに向けてダブルス指導を行ってくれることになった。ダブルスというゲームをベースに、戦術、技術、ポジショニング、フットワーク、コミュニケーションやメンタルなどをアプローチしていく指導法は、すべてを読み終えたとき、ダブルスにとどまらず『テニス』の基本をしっかり理解することができるだろう。このテキストはきっとあなたのテニスのベースになるに違いない。(取材◎ポール・ファイン、青木和子)【2014年9月号掲載記事、連載vol.06】

はじめに
自分で目標を決めて、その目標に向かって取り組もう!

アンディ&ジェイミーに見る、マレー兄弟の学ぶ姿勢と考え方

2人で同じシステムを持っているほうがよいプレーができる

 イギリスのアンディ・マレーは、兄のジェイミーと時々ダブルスをプレーします。国の代表としてプレーするために、数回のダブルスレッスンを行い、ダブルスのシステムを学んだのですが、彼らはそれをほぼ完璧に理解しています。特にアンディは、ダブルスで学んだネットプレーをはじめとする攻撃面をシングルスにも取り入れています。ダブルスをプレーすることは、ダブルス以外にも効果をもたらすものなのです。

 それにしても、なぜ彼らはそのような少ない時間でダブルスをしっかり身につけることができたのでしょうか。私がその理由の一番に挙げることは、まず兄弟の仲がよいことです。「2人」で組んだときによいプレーがしたいから「学びたい」という姿勢を持っていることもその理由のひとつでしょう。そして、「2人で同じシステムを持っているほうがよいプレーができる」ということを理解しているのも大きな理由です。

 学ぶ姿勢があり、意識も高く、それに加えて賢い。お互いに協力し合い、助け合うことができる。目標に向かって努力し続けられるーーよいプレーヤーになるための条件ではないでしょうか。

ネガティブな態度よりポジティブな態度を目指すそのほうが効果は大きい

 しかし、みなさんはお気づきだと思いますが、アンディはシングルスをプレーするときは、ときどきネガティブな行動をとってしまいます。最近はだいぶ改善されているのですが…負けず嫌いゆえ、感情のコントロールに課題があり、そのようなネガティブな行動がよい結果をもたらすわけがありません。ところが、ダブルスではそのようなネガティブな行動をとることはなく、シングルスをプレーするナダルのように常にポジティブな姿勢でいようとしますし、ポイント間の動きも軽やかで、ダッシュしてネットポジションについたりします。

 これがダブルスの面白いところです。ダブルスをするとダブルス以外のところによい効果をもたらしてくれるのです。アンディにとっては重要なことだと思います。

 私たちイギリスナショナルチームは、誰とダブルスをプレーしてもよいチームになれるように、共通のダブルスシステム(計画、戦術/この連載でみなさんに解説しているものと同じもの)を学びます。そして約束事を決めています。

 ポイント間は必ずネットプレーヤーがベースラインにいるサーバーに歩み寄り、どのようにポイントを取るのか話し合うこと。話し合ったあとは、ネットプレーヤーはポジティブな態度でネットに戻ること。そして2人で決めた目標に向かって実行すること。これを繰り返すこと。

 その結果、ポイントが取れなかったとしても、すぐに次のポイントをどのようにプレーするかを話し合うため歩み寄り、目標を立てて、その目標に向かって実行する…これを繰り返すのです。これをすると、シングルスでは見られないアンディの登場です。

 前置きが長くなりましたが、今回は「よいプレー」「ポジティブな姿勢」を真似てほしいと思っています。次のページから紹介するのは『リカバリーのステップワーク』と『リカバリーの姿勢』です。

 では、立ち上がってください!(コートに出ましょう!) 写真の動きをそっくりそのまま真似てください。ボールやラケットワークに注目してしまいがちですが、見てほしいのは体の動き、足の運びです。

ポジティブな態度のアンディ

アンディはシングルスをプレーするとき、ときどきネガティブな態度をとってしまうことがある

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