アンドレスクがアザレンカに逆転勝利で2回戦へ「闘志が戻ってきた」 [フレンチ・オープン]

写真は劣勢を覆して逆転勝利をおさめたビアンカ・アンドレスク(カナダ)(Getty Images)


 今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月28日~6月11日/クレーコート)の女子シングルス1回戦で、ビアンカ・アンドレスク(カナダ)が第18シードのビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)に2-6 6-3 6-4で逆転勝利をおさめた。

 2-2から2度サービスダウンを喫して第1セットを落としたアンドレスクは第2セットも1-3と劣勢に立たされていたが、そこから奮起して巻き返す精神力を絞り出した。怒涛の5ゲーム連取でセットオールに追いついたアンドレスクは第3セット第3ゲームでブレークしたリードを最後まで守りきり、2時間30分で今季のクレーコートシーズン初勝利をもぎ取った。

「正直に言うと、この試合で私は祖母のことを考え始めていた。彼女は高齢だけど、私とはとても仲がいいから。その祖母が『ビアンカがもう一度グランドスラム大会で優勝するところが観たい』と言ったの」とアンドレスクは明かした。

「第2セット1-3のあるポイントでそのことが脳裏によぎり、感情的になってしまったわ。でもその瞬間から何かが自分の中から湧き出てきて、それまでよりいいプレーができるようになったのよ」

 第2セット1-3で15-40のピンチを凌いでキープしたあと明らかにいい流れに乗ったアンドレスクは次のゲームで競り合いながらもブレークバックに成功するとよりパワフルにストロークを打ち始め、結果的に5ゲームを連取して最終セットに持ち込んでいた。

「接戦に持ち込みたいなら何かを変えないといけないと自分に言い聞かせていた。思いきって攻めるのよと自分を鼓舞したの。それからいいサービスが打てるようになり始め、リターンもよくなった。間違いなくいい感じになってきたわ。闘志が戻ってきたの」とアンドレスクはターニングポイントを振り返った。

 マイアミ・オープン4回戦で負傷して途中棄権を強いられたアンドレスクは右足首の腱を切ったため数週間のリハビリを余儀なくされ、クレーコートのマドリッドで復帰してローマでもプレーしたがいずれも初戦敗退に終わっていた。

 キャリアの中で多くの時間をケガとともに過ごしてきたアンドレスクは、「ここ数週間は辛い日々を過ごし、ネガティブな考えがたくさん浮かんできた。そういう意味でこの試合は間違いなく自信になる。最高にハングリーだった2019年の自分を取り戻したい。どうすればできるのかはわからないし、見つけようとしているところよ」と語った。

「いい日もあれば悪い日もある。それがスポーツよ。今で言ったらカルロス・アルカラス(スペイン)やイガ・シフィオンテク(ポーランド)でもない限り、常に100%でプレーすることはできない。冗談はさておき、とにかく今は毎日全力で取り組むしかないわ。我慢強くやり続ければ、結果はついてくるはずだから」

 アンドレスクは次のラウンドで、ワイルドカード(主催者推薦枠)を得て参戦したエマ・ナバーロ(アメリカ)と対戦する。ナバーロはラッキールーザー(予選決勝で敗れたが欠場者が出たため本戦出場権を得た選手)のエリカ・アンドレエワ(ロシア)を6-2 3-6 6-4で振りきり、グランドスラム初勝利を挙げた。

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写真◎Getty Images

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