全豪での辛い敗戦を生かしたルーネが死闘を制して2連連続準々決勝進出「リラックスしてテニスを楽しもうと言い聞かせた」 [フレンチ・オープン]

写真は4回戦で死闘を繰り広げたオルガ・ルーネ(デンマーク/手前)とフランシスコ・セルンドロ(アルゼンチン)(Getty Images)


 今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月28日~6月11日/クレーコート)の男子シングルス4回戦で、第6シードのオルガ・ルーネ(デンマーク)が第23シードのフランシスコ・セルンドロ(アルゼンチン)に7-6(3) 3-6 6-4 1-6 7-6(10-7)で競り勝ち2年連続でベスト8に進出した。

 ここまでの今大会ベストマッチのひとつとなったこの試合でルーネは第5セット5-4からのサービスゲームをキープできなかったが、そこからお互いにテクニックとメンタル両面で激しく渡り合い、最後はもつれ込んだスーパータイブレークで見せたルーネの勇敢さが違いを生んだ。

 一時3-5と劣勢に立たされながら果敢にネットに出たルーネは強烈なボディーショットとなった2本目のボレーをほぼ偶然のドロップボレーで返して7-7と追いついたところで流れを引き寄せ、セルンドロのミスによって続く3ポイントを連取して勝利をもぎ取った。

 1月にオーストラリアン・オープン4回戦でアンドレイ・ルブレフ(ロシア)に惜敗していたルーネは勝利を決めたあとに安堵とよろこびに満ちた笑みを観客席に向け、「僕はオーストラリアで非常に辛い敗戦を体験した。あのときも今日と同じような状況でキープすれば勝利というサービスゲームを落とし、最終的にスーパータイブレークで負けたんだ」とオンコートインタビューで語った。

「だから今日はタイブレークになったときに『とにかくリラックスしてテニスを楽しもう』と自分に言い聞かせた。このような瞬間は勝っても負けても永遠に忘れないものだ。だからとにかく楽しんで、最高のプレーをしようと思った。だからどの瞬間も楽しかったよ」

 敗れはしたがグランドスラム大会で自己最高成績をおさめたセルンドロも深いストロークで度々ルーネを圧倒し、ベースラインから多くのウィナーをを叩き込む目覚ましいパフォーマンスを見せた。

 身をもってそれを体験したルーネは試合後、「彼は特にクレーコートで素晴らしいプレーをしている。このサーフェスは彼のテニスに合っていると思う。彼は鋭いスイングで強力なフォアハンドを打ってくる。だから第5セット5-4の場面で見せたように、時間的に余裕があるとフォアハンドで容赦なくウィナーを打ち込んでくる。あのときの彼は強すぎた。あれは彼の功績だ。それに彼はとてもいい人だから、今後の幸運を祈っているよ」とセルンドロに惜しみない賛辞を送った。

 ルーネは次のラウンドで、ニコラス・ジャリー(チリ)を7-6(3) 7-5 7-5で破って勝ち上がった第4シードのキャスパー・ルード(ノルウェー)と対戦する。両者は昨年の大会でも同じラウンドで対決し、ルードが6-1 4-6 7-6(2) 6-3で勝者となった。

 ふたりは2021年からすべてクレーコートで5戦してルードが4勝1敗でリードしているが、先月のローマ準決勝ではルーネが6-7(2) 6-4 6-2で勝っている。

 ボトムハーフ(ドローの下半分)のもうひとつの準決勝は、アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)とトマス マルティン・エチェベリ(アルゼンチン)の顔合わせとなった。第22シードのズベレフが第28シードのグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア)を6-1 6-4 6-3で下し、エチェベリは第27シードの西岡良仁(ミキハウス)を7-6(8) 6-0 6-1で退けた。

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

写真◎Getty Images

Pick up

Related

Ranking of articles