“3度目の正直”を願うルードが圧勝で2年連続決勝進出「あまり感情を抱かず考え過ぎずにプレーしようと心掛けた」 [フレンチ・オープン]

写真は2年連続で決勝に進出したキャスパー・ルード(ノルウェー)(Getty Images)


 今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月28日~6月11日/クレーコート)の男子シングルス準決勝で、第4シードのキャスパー・ルード(ノルウェー)が第22シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)を6-3 6-4 6-0で退けグランドスラム初タイトルにあと1勝と迫った。

 四大大会でルードが準決勝を戦ったのは昨年の全仏とUSオープンに続いてキャリア3度目だったが、3連勝を飾った。

 前のラウンドと同じく非常に安定したプレーを見せたルードは、この日もまったく揺るがなかった。ルードはワンブレーク差で最初の2セットを連取し、第3セットでは相手に1ゲームも与えず圧倒して2時間9分で2年連続となる決勝進出を決めた。

「正直に言うと僕はただコートに出て、あまり感情を抱かず考え過ぎずにプレーしようとしたんだ。大会の終盤だから勝ち残っている選手は皆いいプレーをしてきたということだ。だから僕は自分にプレッシャーをかけず、考え過ぎたり感情を込め過ぎないようにしようと心掛けた」とルードは試合後にコメントした。

「今日はそれがうまく機能した。幸運なことに、最初から最後まですべてが自分の思うように進んだ。この試合に勝てて本当にうれしいよ」

 大会前のルードは絶好調には程遠く、今季16勝11敗という戦績でパリに乗り込んできた。しかし彼はここにきてベストのレベルに戻りつつあるところを見せている。4月のエストリルで優勝したあとモンテカルロで1勝しかできず、マドリッドでは初戦で予選勝者に負けていた24歳のルードはローマで準決勝に進出したあとこの大会に入ってから更に調子を上げていった。

「ロラン・ギャロスに到着したときは、自分が決勝進出の有力候補だなんてまったく思っていなかった。とにかく目の前の試合だけに取り組んでいくだけだった。ここからどうなるか見てみよう」とルードは無欲の勝利であることを強調した。

「もちろん昨年のように決勝にいければいいなとは思っていたよ。昨年から常にここで決勝進出のスポットを守ろうと考えていたけど、2週間が経って僕はここにいる。ここパリでの2週間は去年と同じようにとても楽しいものだった。3度目の正直があることを願っているよ」

 一方でベストの力を発揮できずに敗れたズベレフは、「今日の試合には本当にがっかりしている。負けることもあるものだけど、今日は自分のテニスがまったくできていなかった」と悔しさを滲ませた。

「残念ながらここまでの試合とは大きく違っていたけど、それが現実だ。彼(ルード)はいいプレーをしたけど、でも僕は平均を遥かに下回るプレーをした。残念だよ」

 ルードは決勝で、第3セット序盤に身体に問題を抱えてしまった第1シードのアルカラスを6-3 5-7 6-1 6-1で破って勝ち上がった第3シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦する。ジョコビッチは次の試合で勝てばグランドスラム獲得タイトル数「22」で並ぶラファエル・ナダル(スペイン)を追い抜き男子歴代単独トップに立つと同時に、アルカラスから世界ナンバーワンの座を取り戻すことができる。

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写真◎Getty Images

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