2度の手術を乗り越えたボンドルソバがふたたびグランドスラム決勝の舞台へ「本当にクレイジーだけど実際に起きている」 [ウインブルドン]
今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦7月3~16日/グラスコート)の女子シングルス準決勝でマルケタ・ボンドルソバ(チェコ)がワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)を6-3 6-3で下し、グランドスラム初タイトルにふたたび王手をかけた。
一度ずつブレークし合って迎えた3-3から3ゲームを連取して第1セットを先取したボンドルソバは第2セットも4-0とリードしながら2回連続でサービスキープに失敗して4-3まで追い上げられたが、続く相手のサービスゲームを破ると最初のサービング・フォー・ザ・マッチをきっちりキープして1時間15分で試合を終わらせた。
「クレイジーだわ。とても厳しい試合だった。彼女は挽回してきて、いいプレーをしていた。集中力を維持して強い気持ちでプレーすることができて本当にうれしい。いい形で試合を終えることができてよかった」とボンドルソバは試合後にコメントした。
世界ランク42位で今大会を迎えたボンドルソバは、1968年に始まったオープン化の時代でウインブルドンの同種目で決勝に進出した初のノーシード選手となった。彼女は19歳だった2019年フレンチ・オープン決勝でアシュリー・バーティ(オーストラリア)に敗れたが、そのときもノーシードから勝ち上がっていた。
2018年ウインブルドンで出産を経て181位までランキングを落としていたセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が決勝に進出していたが、当時はグラスコートでの実績がシード順位に反映されていたため7度の優勝を誇るセレナは第25シードがついていた。ボンドルソバはそのときのセレナに次ぎ、WTAランキングが創設された1975年以降で2番目にランキングの低いファイナリストとなった。
「以前にグランドスラム決勝をプレーした経験が役に立つと思う。何をすべきかはわかっている。自分の周りにいい人たちがいなければならないし、間違いなくそれが助けになる。それに私は当時よりも年齢を重ね、少し違った人間になったと思う。とにかくふたたび決勝に進出できてうれしいわ」とボンドルソバは2度目のグランドスラム決勝進出を喜んだ。
ロラン・ギャロスで準優勝を飾った2019年に自己最高14位をマークしたボンドルソバは、それから頻繁にケガに見舞われ安定した成績を残すことができないでいた。手首のケガに悩まされていた彼女は昨年に2度目の手術を受け、約6ヵ月の戦線離脱を余儀なくされていた。
「2度の手術など、いろいろなことを乗り越えて復帰するのは簡単なことじゃなかった。自分がまたこのレベルでプレーできるか、トップに戻ってこのような大会に出場できるようになるかなんてわからない。ふたたびコートに立ち、痛みなくプレーできることにただただ感謝しているわ」とボンドルソバは苦しい時期を振り返った。
過去4度のウインブルドンで1勝しか挙げていなかったボンドルソバは、「私にとってグラスコートは不可能なサーフェスだった。だからこそ余計にクレイジーなのよ」と話した。
「ドローを見たときは厳しいと思ったけど、『よし、やってみよう』という感じで臨んだわ。そうするとグラスコートで強いベロニカ・クデルメトワ(ロシア)とドナ・ベキッチ(クロアチア)に勝った。それで『どんどんよくなって何かをやってのけることができるかもしれない』と思ったの。私にとって本当にクレイジーなことだけど、実際に起こっている。でもテニスでは何が起きても不思議じゃないから」
ボンドルソバは決勝で、第2シードのアーニャ・サバレンカ(ベラルーシ)を6-7(5) 6-4 6-3で破って勝ち上がった第6シードのオンス・ジャバー(チュニジア)と対戦する。ふたりの直接対決は3勝3敗のイーブンだが、今季は2戦してボンドルソバが2勝している。
写真◎Getty Images
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