今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」（イギリス・ロンドン／本戦7月3～16日／グラスコート）の男子シングルス準決勝で、第1シードのカルロス・アルカラス（スペイン）が第3シードのダニール・メドベージェフ（ロシア）を6-3 6-3 6-3で退け2度目のグランドスラム制覇にあと1勝と迫った。

　安定したサービスゲームで一度もブレークを許さず2セットを連取したアルカラスは第3セットも3-1とリードし、そこから4ゲーム連続でサービスダウンが続いて迎えた最初のサービング・フォー・ザ・マッチをきっちりキープして1時間50分で快勝した。

　パワーと繊細なタッチを織り交ぜたプレーでメドベージェフを翻弄したアルカラスは試合を通して6度のブレークに成功し、オープン化以降で4番目に若いウインブルドン男子シングルスの決勝進出者となった。

「ここで準決勝を戦ってウインブルドン決勝でプレーするのは僕にとって夢だった。信じられないよ。この素晴らしい瞬間を楽しみたい」とアルカラスは試合後にコメントした。

「試合を締めくくるのが凄く大変だった。本当に集中しなければならなかった。彼は最後のボールまで戦い続けた。素晴らしいファイターだよ。僕は厳しい瞬間にベストを尽くし、アグレッシブにプレーしなければならなかった。常に自分らしくプレーすることが試合を終わらせるカギだったと思う」

　アルカラスは決勝で、第8シードのヤニク・シナー（イタリア）を6-3 6-4 7-6(4)で破って勝ち上がった第2シードのノバク・ジョコビッチ（セルビア）と対戦する。この試合で勝ったほうが、大会後に更新される世界ランクで1位の座に就くことができる。

　両者の直接対決は1勝1敗のイーブンで、先月のフレンチ・オープン準決勝ではジョコビッチが6-3 5-7 6-1 6-1で勝っている。

「信じられないほど難しい試合になるだろうけど、僕は戦うつもりだ。僕は自分を信じているし、ここで彼（ジョコビッチ）に勝てると信じるよ」とアルカラスは頂上決戦を見据えた。

「彼は2013年を最後にこのコート（決勝）で負けていないから、僕にとって本当に厳しいチャレンジだ。僕はテニスを始めたときからここで決勝を戦うことを夢見てきた。相手がジョコビッチならより一層特別だ。決勝なのだから怖気づいたり疲れている暇はない。思い切ってぶつかっていくだけだ」