2人のグランドスラム優勝経験者を倒したイエストレムスカが予選からマッチ7連勝の快進撃「まだ準々決勝に過ぎない」 [オーストラリアン・オープン]
シーズン最初のグランドスラム大会「オーストラリアン・オープン」(オーストラリア・ビクトリア州メルボルン/本戦1月14~28日/ハードコート)の女子シングルス4回戦でダイアナ・イエストレムスカ(ウクライナ)が第18シードのビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)を7-6(6) 6-4で退け、四大大会で初のベスト8進出を果たした。
5-6から2つのセットポイントを凌いでブレークバックしたイエストレムスカはもつれ込んだタイブレークを制して一進一退の第1セットを先取したあと第2セットで0-3とリードされたが、そこから5ゲームを連取して流れを掴むと最初のサービング・フォー・ザ・マッチをきっちりキープして2時間7分で試合を締めくくった。
「かなりアグレッシブにプレーしたと思う。緊張しすぎて感情的になってしまった瞬間も何度かあったけど、そんなときはとにかくリラックスして『なるようにしかならないんだから、とにかく1本ずつプレーしよう』と言い聞かせていたの」とイエストレムスカは試合後にコメントした。
グランドスラム大会で予選から準々決勝に進出したのは、2021年USオープンで優勝したエマ・ラドゥカヌ(イギリス)以来となる。彼女は1回戦で第7シードのマルケタ・ボンドルソバ(チェコ)を6-1 6-2で倒す番狂わせを演じており、2人のグランドスラム優勝経験者を破ってこの舞台に辿り着いた。
ちなみに四大大会で2人の元チャンピオンに勝った予選勝者はオープン化以降2人目で、もうひとりは1999年ウインブルドンでマルチナ・ヒンギス(スイス)とメアリー・ピアス(フランス)を下したエレナ・ドキッチ(オーストラリア)だった。奇しくもドキッチは、この試合でオンコートインタビューのインタビュアーを務めた。
世界ランク自己最高21位のイエストレムスカは当時29位だった2021年1月にドーピング違反で出場停止処分(のちに落ち度はない判断されて約半年で処分撤回)を受け、2022年にはロシアによるウクライナ侵攻が始まるなどここ数年間は苦しい時期を過ごしてきた。
「自分が準々決勝に進出したという実感が湧かないわ。特別なことのはずなのに、やるべきことのほんの一部をやっただけのように感じているの」とイエストレムスカは試合後の記者会見で語った。
「まだ私は大したことはしていないと感じている。まだ準々決勝でしかないのだから」
イエストレムスカは次のラウンドで、第19シードのエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)が第1セット0-3とリードされた時点で棄権したため勝ち上がったリンダ・ノスコバ(チェコ)と対戦する。
「厳しい戦いになるだろうけど、面白い試合になると思うわ。私は自分自身にもっと集中する必要がある。すべては自分次第なのだから」とイエストレムスカは次戦を見据えた。
写真◎Getty Images
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