ラッキールーザーの世界123位ナルディがジョコビッチを倒す大金星「何て言ったらいいかわからない」 [ATPインディアンウェルズ]

写真はルカ・ナルディ(イタリア)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦「BNPパリバ・オープン」(ATP1000/アメリカ・カリフォルニア州インディアンウェルズ/3月日6~17日/賞金総額1191万8990ドル/ハードコート)の男子シングルス3回戦で、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が世界ランク123位でラッキールーザー(予選決勝で敗れたが欠場者が出たため本戦出場権を得た選手)のルカ・ナルディ(イタリア)に4-6 6-3 3-6で敗れる波乱が起きた。

 ワンチャンスを生かして第1セットを先取したナルディはワンブレーク差で第2セットを取り返されたが、第3セット3-2から相手のサービスゲームを破ったリードを最後まで守りきって2時間20分でキャリア最大の勝利をもぎ取った。

 ジョコビッチがトップ100圏外の選手に負けたのは2022年2月にドバイ(ATP500/ハードコート)の準々決勝で当時世界123位のイリ・ベセリ(チェコ)に4-6 6-7(4)で敗れて以来で、ATPマスターズ1000大会で100以下の選手が世界ナンバーワンを倒したのはナルディが4人目となる。

「試合前に『1-6 1-6とかでボロ負けしたくない』とコーチに話していたんだ。風が強くてお互いにプレーし難かったけど、僕はいいスタートを切ることができた。ラリー中に調子がいいことに気付き、第1ゲームで(自分は勝てるという)手応えを感じていたかもしれない」とナルディは試合を振り返った。

 第30シードのトマス マルティン・エチェベリ(アルゼンチン)が欠場したため出場機会を得たナルディは初戦となる2回戦でジャン・ジジェン(中国)を6-3 3-6 6-3で倒し、寝室の壁にポスターを貼るほど憧れていたジョコビッチに対する挑戦権を獲得していた。

「僕は3番目のラッキールーザーだったし、本戦入りしたこと自体が驚きだったんだ。今までトップ50の選手に勝ったことがなかったのに、初戦で(世界ランク50位の)ジャンを倒した。そして今度はジョコビッチだ。何て言ったらいいかわからないよ」とナルディは夢のような1週間について語った。

「僕は彼の試合を10年間観てきたんだ。僕が唯一有利だったのは、彼が僕のプレーを一度も観ていなかったことだ」

 大金星を挙げた20歳のナルディは次のラウンドで、第14シードのユーゴ・アンベール(フランス)を6-4 6-4で破って勝ち上がった第17シードのトミー・ポール(アメリカ)と対戦する。

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写真◎Getty Images

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