連敗に終止符を打ったジャバー苦しかった心中を吐露「大会を棄権しようと何度も考えた」 [WTAシュツットガルト]

写真はオンス・ジャバー(チュニジア)(Getty Images)


 WTAツアー公式戦「ポルシェ・テニス・グランプリ」(WTA500/ドイツ・バーデン ヴュルテンベルク州シュツットガルト/4月15~21日/賞金総額92万2573ドル/室内クレーコート)の女子シングルス1回戦で、第7シードのオンス・ジャバー(チュニジア)がエカテリーナ・アレクサンドロワ(ロシア)に2-6 6-3 7-6(1)で逆転勝利をおさめた。

 2度サービスダウンを喫して第1セットを落としたジャバーはワンブレーク差で第2セットを取り返し、第3セット2-4の劣勢を克服してもつれ込んだタイブレークで迎えた最初のマッチポイントをものにして2時間でこのところの連敗を「5」で食い止めた。

 フォアハンドのウィナーで勝利を決めたあと、ジャバーは観客席に陣取る自分のチームに向かって人差し指でこめかみを指すジェスチャーをした。

「また負けたら耐えられないから、大会を棄権しようと何度も考えたわ。物凄く難しかった」とジャバーは試合後の記者会見で語った。

 2017年から抱えている膝のケガが完治しないままシーズンをスタートしたジャバーは16歳のミルラ・アンドレエワ(ロシア)に敗れたオーストラリアン・オープン2回戦で悪化させてしまい、続くWTA1000大会のドーハとドバイの中東での連戦を回避しなければばならなくなった。

「ケガが私のメンタルにこれほど悪影響を与えるとは予想していなかった。膝の状態が酷くてそのことに気付いていなかったけど。準備不足だと知りながらもプレーしようとしたけどレベルアップに繋がる訳もなく、基本的には誰に対しても負けてしまった」とジャバーは苦しい時期を振り返った。

 ようやく痛みがなくなりクレーコートシーズンに臨んだジャバーは前年に優勝したチャールストンの1回戦でマイアミでキャリア最大のタイトルを獲得したばかりだったダニエル・コリンズ(アメリカ)を引き当てたくじ運のなさを嘆き、大会を棄権することも考えたと打ち明けた。

 その試合に3-6 6-1 3-6で敗れたジャバーはこの大会のドローを見て相手がアレクサンドロワとわかったとき、「『神様、もう私に試練を与えるのは止めて!』と思ったわ」と話した。

 この試合で第1セットを簡単に落としたジャバーは勝てると強く信じることができなかったが、「もっとも重要なのはコートですべてを出し尽くすこと」と頭を切り替えて苦境を乗り越えた。

 今季の戦績を3勝6敗としたジャバーは次のラウンドで、前日に予選勝者のサラ・エラーニ(イタリア)との同胞対決を6-1 6-0で制して勝ち上がったジャスミン・パオリーニ(イタリア)と対戦する。

 そのほかの試合では第2シードのアーニャ・サバレンカ(ベラルーシ)と第3シードのココ・ガウフ(アメリカ)が8強入りを決め、マルタ・コスチュク(ウクライナ)、アナスタシア・ポタポワ(ロシア)、ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場した2021年USオープン優勝者のエマ・ラドゥカヌ(イギリス)は2回戦に駒を進めた。

 上位4シードは1回戦がBYEで免除されており、サバレンカとガウフはこの試合が初戦だった。

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写真◎Getty Images

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