トップ2不在のイタリアが自国で初開催のファイナル8で3連覇を達成「今回はまったく違う」 [デビスカップ]

男子テニスの国別対抗戦「デビスカップ」ファイナル8(イタリア・エミリア ロマーニャ州ボローニャ/11月18~23日/室内ハードコート)は最終日を迎え、決勝で第1シードのイタリアがスペインを2勝0敗で下して栄冠に輝いた。
イタリアが同大会でタイトルを獲得したのは、2連覇を達成した昨年に続いて通算4度目(1976年、2023~25年)となる。デビスカップで3連覇を達成したのは、1968~72年に王座を維持したアメリカ以来となる。
7度目の世界一を目指していたスペインは世界ランク1位のカルロス・アルカラス(スペイン)が右ハムストリングのケガでチームを離脱しながら2019年以来となる11回目の決勝進出を果たしたが、イタリアも自国のトップ2であるヤニク・シナー(イタリア)とロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)が不在だったにもかかわらず1試合も落とさず頂点に駆け上がった。
第1試合でマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)がパブロ・カレーニョ ブスタ(スペイン)を6-3 6-4で退け、第2試合のエース対決でフラビオ・コボッリ(イタリア)がジャウメ・ムナール(スペイン)に1-6 7-6(5) 7-5で逆転勝利をおさめた。シングルス2試合で決着がついたため、ダブルスの試合は行われなかった。
ベルギーに対する準決勝のエース対決で7つのマッチポイントを凌いだ末にジズー・ベレキス(ベルギー)を6-3 6-7(5) 7-6(15)で破って母国を3年連続10度目の決勝に導いていたコボッリは、「このトロフィーは僕にとって大きな意味があるから、出だしは少し緊張してしまった。でも最終的には自分のテニスをしようと心掛け、ベンチや観客からエネルギーを貰おうとしたんだ」とムナール戦を振り返った。
「第2セット序盤もポジティブな姿勢を維持しようとしていたけど、このような試合でプレーするのは簡単じゃない。終わってみれば本当にうれしいよ。大事な場面で最高のテニスができたからね」
「本当に信じられないような気分だ。我々のチームはデビスカップで3度目の優勝を飾った訳だけど、今回はまったく違う。母国で地元の観客が見守る中で勝ったんだ」と監督のフィリッポ・ボランドリ(イタリア)は語った。
「僕自身は最初の2回では泣かなかったんだけど、今回は僕にとって特別な意味を持つ勝利だったから涙が出たよ。選手たちには感謝の気持ちしかない。彼らの献身的なプレーは素晴らしい。本当に凄いよ。我々全員が選手たちを誇りに思うべきだ」
デビスカップは2019年に国際テニス連盟(ITF)とスペインの元サッカー選手ジェラール・ピケによって設立された投資団体コスモスの協力(ITFとコスモスのパートナーシップは既に終了)によって開発された新フォーマットに変更されたが、2025年から新たな形式で開催されている。
昨年まではホーム&アウェー方式の予選ラウンドを経てグループステージのラウンドロビン(4チームによる4グループの総当たり戦)を勝ち抜いた8ヵ国が決勝トーナメントに進出して世界一を争ったが、今年からはホーム&アウェー方式の予選1回戦(26ヵ国13対戦)と予選2回戦(14ヵ国7対戦)を勝ち抜いた7ヵ国が『ファイナル8』に進出し、開催国を加えた8チームがトーナメント方式で戦い優勝チームを決定する。
ホーム&アウェー方式がシングルス4試合とダブルス1試合(初日にシングルス2試合、2日目にダブルス1試合とシングルス2試合)の3ポイント先取、トーナメント方式はシングルス2試合とダブルス1試合の2ポイント先取で勝者を決め、原則的に勝敗がかかる試合はすべてベスト・オブ・3セットマッチで行われる。
写真◎Getty Images
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