15歳のセンセーション、ガウフが2週目へ [ウインブルドン]
彼女は憧れながら育ったビーナスと対戦することによって、圧倒されることは決してなかった。
彼女はそのあとに気持ちをリセットすることについて話し、過去のウインブルドンで4強入りした実績を持つマグダレナ・リバリコバ(スロバキア)にもストレート勝ちした。そしてセンターコートで行われた3回戦では、ポロナ・ヘルツォグ(スロベニア)に2度に渡って敗戦まであと1ポイントと迫ったことも、ものともしなかった。彼女はその試合に3-6 7-6(7) 7-5で勝った。
「私の両親は、ただ落ち着きを保ち、集中し続けるように言っている。大会はまだ終わっていないんですもの」とガウフは語った。
「だからこそ、私は試合日の夜に少し勝利を祝い、翌日には練習に戻っているのよ」
この分別が、刹那の魔法の進撃に見えているものを長期の成功に満ちたキャリアに変貌させることを助け得る。
「これは(まだ)、容易な部分よ」とガウフのトレーニング・セッションを見ていた元世界1位のトレーシー・オースティン(アメリカ)は言った。
「彼女が言っていたように、ビーナスとプレーする前には、ひとりの小さな男の子が彼女に写真を頼んできただけだった。でも、ビーナスを倒したあとには、皆が彼女のサインを欲しがっている。それは素晴らしいことだけど、彼女が今いかによく知られるようになったかを示している。そしてそれとともに今、膨大な期待がやってくる」
オースティンは、そのことを身をもって知っている。彼女は1978年10月に15歳でプロに転向し、その月にシングルスでプロとして最初のタイトルを獲得した。その1年後、16歳のときに彼女はウインブルドンで準決勝に進出し、それからマルチナ・ナブラチロワ(アメリカ)を準決勝で、クリス・エバート(アメリカ)を決勝で倒し、最年少のUSオープン・チャンピオンとなった。彼女はその2年後にも、やはりUSオープンで優勝した。
「私は彼女の周りに、地に足の着いた堅実な人々がいるよう心から願っている。つまり彼女の両親ーー彼らは素晴らしい人たちのようねーーコーチ、代理人らが、彼女がゆっくりと育っていけるよう、取り計らうように。すべてをつかむ必要はないのよ。間違いなく、彼女がただの子供であるための時間を持てるようにすること。彼女のために、子供であるための十分な時間を、苦労しながらもつくってあげること」と29歳で国際テニスの殿堂入りしたオースチンは意見を述べた。殿堂入りの年齢でも、オースティンは最年少だった。
「彼女がここで大きな成功をあげたからといって、メディアが彼女を急き立てすぎず、あまりに早くあまりに多くを期待しすぎないよう願うわ」とオースティンは釘を刺した。
「彼女はまだ発展中なのよ。彼女の前には、もし彼女が望むなら、まだ15年のキャリアがある。もしかしたら20年かもしれない」
WTAは今、彼女の時代と比べて若い選手を導くにあたりずっとよい仕事をしているということをオースティンは指摘した。
「私はある意味、(ごく若くしてトップに台頭した)最初のひとりだった。だから、ちょっぴり驚きだったのよ。誰もいいアドバイスを授ける準備ができていなかった」
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