ナダルがUSオープンでタイトル防衛に挑まない決断、ロジャー&ラファ不在のグランドスラムは21年ぶり

 フェデラーもまたUSオープンを欠場するが、彼の場合は今年に入って右膝に2度手術を受けたことがその理由だった。

 グランドスラム大会でフェデラーとナダルの双方が不在だったのは、1999年USオープン以来のことになる。それは威信ある4大大会で、ナダルがデビューを遂げる4年前のことだった。

 USTAはアメリカ全土で新規感染者がふたたび急増しているにも関わらずUSオープンを実施するという意図を繰り返し表明しており、先週にもプレスリリースの中で次のように主張した。

「ニューヨーク州はCOVID-19に関し、この国でもっとも安全な場所のひとつであり続けています」

 確かに今の状況では、それは真実だ。しかしその地域はパンデミックの初期の段階でアメリカ国内のホットスポットで、USオープン会場は仮設病院として使われていたほどだった。

 4月中旬にニューヨークの病院はCOVID-19に感染した1万8000人の患者を受け入れ、毎日750人以上が病院や老人ホームなどで亡くなっていた。これらの数字は5月に急落し、6月以降の入院率と新規感染者の数は比較的安定している。

 それでも変わらず、渡航に関する懸念があるとナダルは指摘した。

 ビリー ジーン・キング・ナショナルテニスセンターは8月20日から28日までウエスタン&サザン・オープンの会場ともなり、USTAは一種のダブルヘッダーを計画している。この前哨戦は本来ならオハイオ州シンシナティで行われるが、今年は特別にニューヨークへと場所を移して行われることになった。同じ会場で開催されるこの大会は、間違いなくUSオープンへの準備の場を必要としている選手たちの役に立つ足慣らしの場となることだろう。

 それからUSオープン終了(9月13日)の2週間後、従来の5月から延期されたフレンチ・オープンがパリで始まる予定となっている。

「ラファがウエスタン&サザン・オープンとUSオープンでプレーしないことについて、ファンたちが残念がるのは分かっています」とアラスター氏は語った。「しかしファンとこのスポーツのためにも、プレーする準備ができたと判断したときの彼に刺激を受ける日を私たちは楽しみにしています」。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

※写真は昨年のUSオープン男子シングルス表彰式でのラファエル・ナダル(スペイン)(Getty Images)

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