セレナの結婚で審判コールにスポットライト [ウインブルドン]
イギリス・ロンドンで開催されている「ウインブルドン」(7月2~15日/グラスコート)の女子シングルス2回戦。
セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)の結婚によって、ウインブルドンの多くの奇特な伝統の一つにスポットライトが当たった。
主審の言葉が突然、「ミス・ウイリアムズ」から「ミセス・ウイリアムズ」に変わったのだ。この小さな変更のせいで、オールイングランド・クラブは古風すぎるか否かという問いの、より大きな像に話が向いた。
このグラスコートのグランドスラム大会では、女性だけを対象に結婚状況を反映した称号が名の前につけられる。
言い換えれば、セレナがゲームを取ったと主審が告げるとき、「ゲーム、ミセス・ウイリアムズ」となる。
姉ビーナスの場合は、「ゲーム、ミス・ウイリアムズ」に。そしてロジャー・フェデラー(スイス)の場合は、単に、「ゲーム、フェデラー」となる。
これは、テニス界で男女の同等性の名のもとに起きているほかの動きとは対照をなす違いだ。2007年以来、すべてのグランドスラム大会で男女の賞金は同額となった。そして今週の最初の3日には、男子の試合より多くの女子の試合がセンターコートで行われる予定になっていた。これは数十年前なら起きていなかったはずのことだ。
しかしながらプレーヤーたち自身は、自分の名前がどのように呼ばれているかについて、どちらかというと無関心か、ときには気づいてさえいないようなのだ。
「(主審は)セレナ・ミセス・ウイリアムズと呼んでいたの?」----2回戦の勝利後の記者会見でこの話題が出たとき、ビーナスはこう聞き返した。
「素敵だわ。ジャネット・ジャクソンのあの歌(ナースティ)で、彼女は『ミス・ジャクソン』と言っていたじゃない。気にいったわ。私はミス・ウイリアムズね」
ミスとミセスは、かつてスコアボードにも掲示されていたが、その伝統は2009年に取りやめになっていた。
フェデラーは、女性が結婚しているか否かによって違う敬称で呼ばれていたことに、気づいていなかったと言った。彼はまた、主審が自分やほかの男子プレーヤーの名の前にミスターをつけなくてもまったく構わないとも言った。
「僕にとっては、審判が『ゲーム、◯◯』と、どういう形でも僕の名を言いさえすれば、どんなふうに呼ぼうと満足だよ。『ゲーム、◯◯』と、ほかの名前を呼んだりしたら問題だけどね」とフェデラーは笑いながら言った。「筋は通ってるだろ?」。
これは昨年11月にソーシャル・ニュース・ ウェブサイト『Reddit(レディット)』の創設者のひとり、アレクシス・オハニアンと結婚したセレナにとって、結婚後初のウインブルドンとなる。この結婚は、ウインブルドンのオフィシャル・ファクト・ブックの中で、彼女に新しい場所を与えもした----すべての過去のチャンピオン、準優勝者、準決勝進出者の結婚の詳細を述べたリストの中に。
男子に関しては、このような結婚のリストはない。
「実をいうと、彼ら(ウインブルドン)がそんなものを持っているとは知らなかったの」と、セレナは2回戦で勝利をおさめたあとに言った。「なぜ男女両方のためにないのか興味があるわ」。
大会のファクト・ブックは、複数の結婚も見せている。セレナは、自分には当てはまらない、と自信を持っていたが、例えば1923年ダブルス準優勝のジョアン・オースティン(イギリス)には4人の夫がいた。
「(夫は)たったひとりであり続けるよう願ってるわ」と彼女は言った。(C)AP(テニスマガジン)
※写真はイメージ(Getty Images)
LONDON, ENGLAND - JUNE 26: Umpires during Wimbledon Championships Qualifying - Day 2 at The Bank of England Sports Centre on June 26, 2018 in London, England. (Photo by Justin Setterfield/Getty Images)
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