ジョコビッチ主催大会での感染者発生を受けてスポーツが監視下に
それとは関係ない出来事だが、セルビアのサッカークラブ「レッドスター・ベオグラード」は自チームの選手5人がCOVID-19の検査で陽性反応を示したと発表していた。うちひとりはCOVID-19に感染した際に出ると言われる症状がなく、4人には症状が出ているとクラブは説明した。
この5人の選手は土曜日に行われたチームの最新の試合には出ていなかったが、2万人の観客の前でレッドスターがパルチザン・ベオグラードと対戦したセルビアカップ準決勝の際にはその場にいた。試合の際にソーシャルディスタンスの措置はとられておらず、観客の中でマスクをしている者はごくわずかだった。
そのほかの国では、特にロシアでサッカー選手の中でのウイルス感染の件数が増えつつある。
ザダルにおけるテニスでのウイルス感染者発生は、国にとって収益性の高い観光業を再スタートしようとするクロアチアの試みに影響を及ぼすことになるかもしれない。クロアチアの観光業は欧州各地からの訪問者を引き寄せているが、パンデミックの間に減速していた。観光は昨年、クロアチアの収入の4分の1を占めていた。
検査を受ける前に母国セルビアに帰国するというジョコビッチの決断もまた、世間の注目を集めた。アドリア・ツアーに出ていた他のほとんどの選手は、ディミトロフの陽性が判明してジョコビッチとアンドレイ・ルブレフ(ロシア)による決勝がキャンセルされたあと、クロアチアに残って検査を受けていたのだ。
2020年のテニスシーズンは他のスポーツ同様、パンデミックにより大きな影響を受けている。通常なら来週から始まるはずだったウインブルドンは中止(戦争以外では初)となった。現在のグランドスラム再開のプランは8月31日から始まるUSオープンで、延期されたフレンチ・オープンは9月から10月にかけて開催される予定となっている。
しかしニューヨークはウイルスに大きな打撃を受けた都市であり、そのために何人かの選手はすでに懸念を示していた。男子のUSオープン前年度覇者であるラファエル・ナダル(スペイン)や女子世界1位のアシュリー・バーティ(オーストラリア)などトップ選手の何人かは、ニューヨークへ赴くことを躊躇していた。ジョコビッチとナダルはまた、プレーヤーの移動制限やスタッフたちに関する規制についても疑問視していた。
「8月14日からのATPツアー再開のプランにおいて、ATPと他の関係者は大会で実施されるさまざまな予防策と手順を通じてリスクを軽減するため、網羅的な計画を立てた」とATP(男子プロテニス協会)は明かした。
「我々は最新の医療情報に従い、これらの予防策と手順を計画した。これらは状況の変化に応じて調整し続け、すべての決定を吟味する際に安全性を最優先事項とする」(APライター◎ドゥサン・ストヤノビッチ、ジェームズ・エリングワース/構成◎テニスマガジン)
※写真は「アドリア・ツアー」ベオグラード大会の閉会式での記念撮影(Getty Images)
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