キングの提唱から50年の時を経て、男女ツアー統合へ機運が再燃
彼らはすでに4つのグランドスラム大会で舞台を共有しており、インディアンウェルズやマイアミ、またマドリッドの大会のように男女共催のイベントもある。キングはより多くのチームイベントを見たいと思っているが、スケジュールの大部分は男子のみ、女子のみの大会を開催し続けることになる。
「テニスは本当に長い年月の間、違った人々が違ったものを売ろうとすることで共食いをすることに多くの時間を費やしてきました」とフェデラーの代理人であるトニー・ゴッドシック氏は指摘する。「このスポーツがメディア、スポンサーシップ、人気、ファンとの関係構築という意味で本当に発展して次のレベルに至りたいと思うなら、対立して商売をするのでなく一緒に協力して売らなければならないのですよ」。
ここでカギとなるのは、正にそこなのだ。それを実現するために組織を編成する方法を見つけ出さなければならない。
「これは恐らく、もっと前に実現しておくべきことだった。でも今、本当にそうすべきときがきたのかもしれない」とフェデラーは述べ、ツアーを7月半ばまで中断させることになった新型コロナウイルスの世界的流行の結果としてプレーヤー、大会、そしてツアー自体が直面している財政的困難に目を向けた。
「すべてのスポーツに厳しい時期というものがある。我々はここからふたつの弱った団体として抜け出るか、あるいはひとつのより強い団体として抜け出るかだ」
それはキングがずっと昔に主張し、近年になってより多くの人々が提唱し始めていたことだった。
例えば、現在パシフィック12カンファレンス(Pac-12:アメリカの大学スポーツにおけるカンファレンスのひとつ)のコミッショナーを務めるラリー・スコット氏は、2009年にWTAの最高経営責任者(CEO)の座から離れる前に合併を後押ししていた。
WTAの会長兼CEOであるスティーブ・サイモン氏とATPのリーダーであるアンドレア・ガウデンツィ(イタリア)は、プレー再開に向けて仮日程を割り出すことからランキングの低い選手達を助けるために基金を考え出す作業に至るまで、COVID-19大流行の結果に対処するために協力し合って働いてきた。
「テニスは常に、最大の舞台で男子と女子を一堂に会させるときに手本を示してきました」とガウデンツィ氏は電子メールを通してコメントした。「それが我々の強味のひとつであり、テニスを他の多くのスポーツと一線を画すものにしているのですよ」。
もしかするとテニスは今、ともに手を取り合って歩むことでさらに際立った存在になるべき時がやってきたのかもしれない。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
※写真はアメリカ・ニューヨークで行われたイベントでのビリー ジーン・キング(アメリカ)
NEW YORK, NEW YORK - FEBRUARY 29: Billie Jean King speaks onstage during the Women Changing The Conversation panel at HISTORYTalks Leadership & Legacy presented by HISTORY at Carnegie Hall on February 29, 2020 in New York City. (Photo by Bryan Bedder/Getty Images for HISTORY)
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