6限目_森 稔詞コーチ「『時間』を制して、ラリーで勝つ!」

LESSON 4|ルールを設けてストレートラリー

「打点」と「球種」を変えて、
相手のバランスを崩す

 選手がプレーを変えると、相手もプレーを変えなければならなくなります。ここからは打点の変化だけでなく、「球種」も変化させたストレートのラリー練習を行います。

 球種の変化とは、無回転、順回転(縦スピン)、逆回転(バックスピン)などを指します。これらをラリー中に織り交ぜることで、相手のラケットのスイートスポットをうまく外すことができ、エラーを誘い出すことができます。

 この球種にも「時間」が存在します。目安として無回転の速いボールは、相手から時間を奪うことができ、順回転は時間こそ無回転と比べて遅いものの、ボールのバウンドが大きく弾むため、相手のミスを引き出すメリットもあります。逆回転のスライスなどは、滞空時間が長く、自分の時間をつくることができ、ボールが滑ることによって、相手を低い体勢でプレーさせることができます。

 球種を変えることは、相手の時間を狂わせ、ミスを誘うために重要なファクターなのです。

PRACTICE|ストレートラリーにルールを設ける

ルール1「打点の確認」

 片方のプレーヤーは必ずライジングで対応し、もう片方はボールの落ち際でボールを打つというルールを設けます。ライジング側は、相手コートに早く返すことになり、相手から時間を奪うことになります。ボールの落ち際(トップスピン側)は、ボールをインパクトするまでの時間が長いため、相手よりも回転量の多いスピンをかけて返球します。当然、スピン量を増やすことによって、ボールの軌道を高く、相手コートの深いところを狙います。

ルール2「球種の指定」

 片方はトップスピン、もう片方はスライスでラリーするルールを設けます。トップスピン側は、相手のスライスに対応するため、低い体勢でボールを下から上へ打つことになります。先に説明した打点の変化で言えば、ライジングや頂点の位置でボールをとらえ、相手のスライスに対抗します。スライス側は低くて遅いボールを打つことで、相手の好きな打点で打たせないようにします。ただ、スライスはボールが浅くなると相手に待たれて攻められることも注意しましょう。

SET UP|スピンとスライスを交互に打って、相手の打点を上下させる

 ルールを決めてラリー練習するときに、片方がトップスピンとスライスを交互に打って、相手のミスを誘うものもやってみましょう。ゲームでいうところの球種の変化による「緩急」がこれに当たります。これを試合で使うと、相手のレベル、緩急への対応など、多くの情報を引き出すことができます。

第34、35回テニマガ・テニス部参加者の皆さん

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

Pick up

Ranking of articles