ミックスダブルスの勝ち方&考え方〜元全日本混合V3、綿貫裕介&二宮真琴ペアから学ぶ

ミックスダブルスが全日本選手権の競技として誕生したのが1935年。大会連覇記録は鵜原謙造/宮城黎子ペアの4連覇が最高で、それに続く3連覇の記録を持つのが綿貫裕介/二宮真琴ペアだ。今回ふたりはミックスダブルスの勝ち方、考え方を教えてくれた。【2017年7月号掲載記事】

解説◎綿貫裕介(写真左)、二宮真琴(写真右) 写真◎Getty Images、BBM、本人提供 イラスト◎サキ大地

綿貫裕介(左)

わたぬき・ゆうすけ◎1990年5月20日生まれ、29歳。埼玉県春日部市出身。10歳からテニスを始め、高校は堀越高に進学。08年全日本ジュニア18歳以下シングルス準優勝、インターハイは3位入賞を果たす。09年8月にプロ転向。国内外のトーナメントで活躍し、全日本選手権では二宮真琴と混合ダブルスで14年からV3を達成。橋本総業ホールディングス所属

二宮真琴(右)

にのみや・まこと◎1994年5月28日生まれ、25歳。広島県広島市出身。6歳からテニスを始め、全日本ジュニア14歳以下、18歳以下で複優勝。11年は全仏オープン・ジュニアで4強入りを果たす。13年4月にプロ転向し、14年には全日本選手権女子複と混合複で2冠。16年には青山修子とペアを組み、WTAツアータイトルも獲得、今年2月にもマレーシア・オープンでニコール・メリチャーとのペアで準V。橋本総業ホールディングス所属(当時)

ミックスダブルスの考え方

綿貫 僕たちのダブルスはとてもシンプルです。男女関係なく、後衛で打ち負けないストロークでゲームをつくり、前衛がネットプレーで決める――この形が基本です。二宮選手は男子のストロークに対してもポーチに出られる選手なので、そこがペアとしての強みだと思います。

二宮 イメージとしては女子ダブルスよりも展開が早く、楽しくてラクかな、と。女子はラリー主体ですが、ミックスは男子のテンポの早さがあるし、ポイントも決まりやすい。例えば、前衛にいるときはチャンスの場面だけ出て、パートナーに後ろのラリーは完全に任せます。女子ダブルスは無理に出ることもありますが、ミックスはしません。パートナーがいいボールを打てばチャンスボールが勝手に飛んでくるので、それを確実に決める。でないと怒られます。

綿貫 怒らないよ!(笑)

二宮 怒られませんが、プレッシャーはひしひしと伝わってきます(笑)。

綿貫 14年の全日本でペアを組み始めましたが、最初は連係がよくありませんでした。お互いに何をすればいいのかわからなかった。明確になったのは2年目。ミックスダブルスは多くのフォーメーションを駆使する余裕はありません。パートナーと互いにできることを確認し、限られた戦術を磨くことで自信をつけました。

ミックスダブルスの勝ち方

綿貫 「女性側を狙う」のがプロアマ共通の鉄則ですが「ミックスだから」という考えは捨て、ボールを散らします。相手のどちらかを一方的に攻めるのはおすすめしません。

二宮 私は女性同士のラリーをていねいにプレーすることを考えます。相手男性が前衛になるので、ポーチされないように注意しつつ、パートナーに前で決めてもらう配球を考えます。逆に相手男性に対しては思いきって勝負します。

綿貫 ミックスダブルスはやることが限られるので、サービスとリターンゲームで何をすべきか整理する必要があります。今回は、僕たちの考え方、勝ち方を詳しく紹介します。

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