転倒しても負けず、セレナがサバレンカとの打ち合いを制す [オーストラリアン・オープン]
セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)はもんどりうって倒れ、厳重にテーピングされた足首を捻った。彼女の体は捻じられ、そのラケットは宙を舞った。
掴んでいたはずの流れを失って勝利が逃げ去るかに見えたのは、オーストラリアン・オープン4回戦での彼女自身の若いバージョン――鋭いサービス、強力なグラウンドストローク、激しい気性――に対する可能な限り激烈なマッチアップの第2セット序盤のことだった。
大丈夫だということを示すためにセレナはすぐに手を挙げ、起き上がって右の靴紐を締め直した。彼女はコントロールを取り戻すのに少し時間が必要だったとはいえ、それをちょうど間に合うタイミングでやってのけた。最後の2ゲームを取った第10シードのセレナは第7シードのアーニャ・サバレンカ(ベラルーシ)を6-4 2-6 6-4のスコアで振りきり、メルボルン・パークで準々決勝に進出したのである。
2年前の大会で足首を負傷したセレナは、第3セット5-1リードでマッチポイントを迎えながらもカロリーナ・プリスコバ(チェコ)に逆転負けを喫していた。
「この試合を切り抜けることができてうれしいわ。簡単な試合ではなかったわよ。彼女はすべてのショットを強打してきたわ」とセレナは振り返った。彼女は8度目のオーストラリアン・オープン優勝と、史上最多記録を持つマーガレット・コート(オーストラリア)に並ぶ24回目のグランドスラム制覇にまた一歩近づいた。
繊細さや微妙な違いについては、他の者にまかせておこう。このふたりはロッド・レーバー・アリーナでそのパワーを見せつけながら、何度も何度も繰り返しボールをハードヒットした。ただセレナのほうが、辛うじて上だったというだけだ。彼女は最終的にウィナー数で30対24と相手を上回り、女子テニス界で最高と言われるサービスで最高時速202kmを記録して9対4と相手より多くのサービスエースを奪った。
ネットに出たときに15回中13ポイントを取ったセレナは、必要に応じて効果的にボレーを決めた。それよりも重要だったのは彼女がもっと若かったころのようなフットワークでコートをしっかりカバーし、相手のウィナー級のショットをカウンターで自分のポイントに変えてしまっていたことだ。
そのためグランドスラム大会で2度目となる4回戦をプレーしていた22歳のサバレンカは明らかにフラストレーションを感じており、ポイントを落としたあとに頻繁に叫び声を上げていた。イライラが爆発し、ラケットを叩きつける場面も見られた。
この質の高い試合で唯一残念だったのは、観客がスタジアムでその試合を堪能できなかったことだった。それはこれがある地元ホテルで新型コロナウイルス(COVID-19)の感染者が見つかったあと、ビクトリア州政府に課された5日間のロックダウンが始まってから2日目だったからだ。
火曜日に行われる準々決勝で、セレナは第2シードのシモナ・ハレプ(ルーマニア)と対戦する。ハレプは第15シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)とのグランドスラム覇者同士の対決を3-6 6-1 6-4で制し、前回のロラン・ギャロスでの雪辱に成功した。(C)AP(テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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