メドベージェフがツアー10勝目に王手、決勝の相手は伏兵エルベール [オープン13]
第1シードのメドベージェフは6-4 3-0とリードしていた時点で予選から勝ち上がってきていたマシュー・エブデン(オーストラリア)が右脚のケガを理由に棄権したため勝ち上がり、エルベールは第4シードのユーゴ・アンベール(フランス)との同胞対決を6-3 6-2で制した。エルベールは9本のサービスエースを決め、1度も相手にブレークチャンスを与えなかった。
「このような形で試合を終えるというのは非常に残念なことだ。例え彼がケガをしたとしても、僕は勝つためにプレーを続けなければならなかった。相手が負傷しているからといって、イージーなポイントを与えることはできないからね。彼にとっては残念なことだったと思うけど、早く回復して深刻なケガではないよう祈っているよ」とメドベージェフはエブデンを気遣った。
グランドスラム大会で2度準優勝した実績を持つメドベージェフはツアー10勝目がかかった決勝で、男子ダブルスで生涯グランドスラム(キャリアを通じて4つの異なるグランドスラムで優勝すること)を達成しているがシングルスではツアー大会で1度も優勝したことがない世界ランク93位の選手と対決する。
この意外な決勝カードは、エルベールが予想外の進撃を見せた結果と言える。彼は1回戦で第6シードの錦織圭(日清食品)を退け、前日に行われた準々決勝では大会3連覇を目指していた第2シードのステファノス・チチパス(ギリシャ)を倒す金星を挙げていた。
しかしながらオーストラリアン・オープン準優勝者のメドベージェフはここ24試合でマッチ21勝を挙げており、圧倒的な優勝候補であることは間違いない。とはいえサーブ&ボレーを駆使するエルベールのプレースタイルは、メドベージェフをも苦しめる可能性を秘めている。
同大会28年の歴史の中でもっともランキングの低い準決勝進出者である世界287位のエブデンはこの日の試合で何度かメドベージェフのリズムを崩し、第1セットでは3つのブレークポイントを奪っていた。
「エルベールは厳しい対戦相手だ。彼はサーブ&ボレーをするし、リズムを与えてくれないからね。だから自分のプレーがよかったのか悪かったのかすら分からないという感じなんだ。でも僕は、明日を楽しみにしているよ。幸いなことに今回は無観客だ。マルセイユで観客の声援を受ける地元選手と対戦する決勝は、簡単なものではないからね」とメドベージェフはコメントした。(C)AP(テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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