マドリッドで手応えを得たティームは今後に向けて楽天的

写真はマドリッド・オープン準決勝で敗れたドミニク・ティーム(オーストリア)(Getty Images)

決勝には至れなかったとはいえ、ドミニク・ティーム(オーストリア)は膨らんだ自信を胸にマドリッドから去った。

 今月末のフレンチ・オープン前にバッテリーを充電する目的で休養を取ったあと、ティームはマドリッド・オープンで活動を再開した。マドリッドでの彼は準決勝でアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)にストレートで敗れ、決勝の舞台に立つことはできなかった。しかしそれは今年の難しいスタートのあと、彼自身が想像していたよりもいい成績だったのである。

「総じて言えば、僕は今週についてとても満足しているよ。ここまで勝ち残って準決勝で彼のような素晴らしいプレーヤーと対戦することなんてまったく期待していなかったんだ。文句のつけようがないよ」とティームはコメントした。

 世界ランク4位のティームは昨年9月にUSオープンでグランドスラム初制覇を果たして以来、ツアーでタイトルを獲得できていない。彼はドバイとドーハで早期敗退を喫し、休息を取るべきときだと判断した。

 バブル(バイオセキュリティを整えた安全地帯)の中で過ごしたり無観客でプレーするのは精神的に余計にストレスがかかるため、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックも休養を取るという彼の決断に影響を与えたとティームは話した。しかしそれよりも大きかったのは、モティベーションの低下だった。

「主な理由はグランドスラム大会で最初のタイトルを獲得したこと、生涯の目標だったものを達成したことだ。だからもちろん、以前と同じように続けていくことは難しい。それが主な理由だったんだ。僕はただそのことについてしっかり考え、自分を立て直さなければならなかった。それに少し時間がかかったんだよ」とティームは打ち明けた。

 復帰した際に自分がどのようにプレーするかはっきり分からずにいたが、自分のテニスにうれしい驚きを感じたと彼は語った。彼はマドリッドでマルコス・ギロン(アメリカ)とアレックス・デミノー(オーストラリア)をストレートで退け、それからビッグサーバーのジョン・イズナー(アメリカ)に1セットダウンから逆転勝利をおさめて準決勝に進出した。

「予想していたよりもずっといい成績だったよ。プレー面でもフィジカル面でも、そこそこいい状態にはなっているかと予想してはいたけどね」と27歳のティームは振り返った。

「でももちろん、週を通して毎日高いインテンシティ(強度)を維持するためには向上させなければいけないことはまだまだたくさんある。とはいえ僕は今、プレーすればするほどよくなっていくだろうと楽観視しているんだ。特に自信という部分に関しては、ここで素晴らしい結果を出すことが重要だった」

 ティームは次週にローマでプレーしたあと、彼が2018年と19年に準優勝したフレンチ・オープンを迎えることを予定している。

「もちろん来週もそのあとも、改善していく必要があることはたくさんある。ローマに行ってそこでしっかり練習をして、その上でマドリッドよりもいいプレーができることを願っているよ」とティームは次戦以降を見据えた。(APライター◎タレス・アッゾーニ/構成◎テニスマガジン)

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

写真◎Getty Images

Pick up

Related

Ranking of articles