セット連取の記録は途絶えてもナダルの目標は揺るがず「セットを落としてから如何に立ち直るかが大事」 [フレンチ・オープン]

写真はラファエル・ナダル(スペイン)(Getty Images)

今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月30日~6月13日/クレーコート)の大会11日目は、トップハーフ(ドローの上半分)の男女シングルス準々決勝各2試合などが行われた。

 ロラン・ギャロスでラファエル・ナダル(スペイン)が続けていたセット連取の記録は水曜日に終わったが、彼が目指している大会14勝目タイトルと21回目のグランドスラム制覇の可能性は手つかずのままだ。

 鞭打つようなフォアハンドを叩き込み、拳を突き上げて「バモス!」と叫びながら、第3シードのナダルはここ2年で初めてセットを落としたことを受け流して第10シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)を6-3 4-6 6-4 6-0で倒した。

「ラファと対戦するのは誰にとっても難しい。彼はコート上で凄く心地よくプレーしている」とナダルに対して1勝11敗となったシュワルツマンは試合後にコメントした。

「彼はラファなんだ。最後はラファがいつだって勝利を掴む方法を見つけ出すんだよ」

 ナダルは2019年決勝から始まったフレンチ・オープンでの35セット連取の記録とともに準々決勝を始めて記録を「36」まで伸ばしたが、そこでシュワルツマンによって阻止された。

「この期に及んでセットを落とさないようにしようなどと考えてはいないよ。僕はセットを落としたくらいで大惨事だと考えるような心構えで試合に臨んではいないからね。それも試合の一部なんだ。大事なのはセットを失ってからどうやって立ち直るかなんだよ」とナダルは語った。

 セットカウント1-1で迎えた第3セットでシュワルツマンが4-3とリードしたとき、ナダルはレベルを引き上げた。ナダルはそれを、「あそこが勝負をかける瞬間だった」と振り返った。

 何かを欲しいと願うだけでそれを実現できるかのようにナダルは続く9ゲームを取り、手も足も出ないシュワルツマンは独り言を言いながらラケットをレッドクレーに落として跳ね返らせる羽目になったのだった。

 今大会での戦績を105勝2敗としたナダルは次のラウンドで、第9シードのマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)を6-3 6-2 6-7(5) 7-5で破って勝ち上がった第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)と対戦する。

 パリで4強入りを決めたのは、ナダルが14回目でジョコビッチは11度目となる。これはジョコビッチにとってグランドスラム大会で40回目の準決勝進出で、ナダルにとっては35回目だ。

 ナダルとロジャー・フェデラー(スイス)は現在グランドスラム獲得タイトル数「20」で並び、ジョコビッチが「18」でそれに続いている。(APライター◎サミュエル・ペトレキン&ジェローム・パグマイア/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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