アドバイスシリーズ サーブ編 その⑧
前回サーブを打つ際、フォワードスイングからフォロースルーにかけてのスイングは、結果として腕は伸ばされ、ねじり戻しを使ったほうがスイングスピードが加速できると話しました。
今回はどうしてねじり戻しを使ったほうが、スイングスピードが加速できるのか、そのメカニズムについて説明したいと思います。
プロの選手があれだけ速いサーブが打てるのも、ピッチャーがあれだけ速いボールを投げられるのも、瞬発力が使われ、これは瞬間的に作動する筋肉の力のことを言います。
そして、この瞬発力には反射が使われています。
つまり瞬発力の源は反射だということです。
次に反射とは何?ということですが、
簡単に言うと熱いものを触って、アツッ!と、とっさに手を引っ込めるあの動作です。
要するに考えることなく、勝手に反応すという、脳を経由することがないので、とっても速い動作になります。これをテニスに、サーブに、フォアハンドに使っているということです。ピッチャーもそうです。
また、この反射といっても様々な種類の反射がありますが、今回のサーブやピッチング、そしてフォアハンドストロークで使う反射を、伸張反射と言います。
伸張反射とは、ゴムに似ていて伸ばされた筋肉が、ある一定まで伸ばされると、急に縮まるという特性を持っていて、これも無意識に行われる反射です。
例えば、一度かがんでジャンプをするときも、この伸張反射を使っています。
ふくらはぎと太ももの筋肉をいったん伸ばしてから、縮めることで高く跳べます。
伸ばされた筋肉が収縮、つまり縮む勢いを使うということですが、ここで使う伸長反射は真っ直ぐ伸ばされた筋肉ではなく、肩周辺のすべての筋肉がねじれているという点です。
これを回旋系伸張反射と言います。肩関節から先の腕がねじれ、ねじれ戻されという動きをするので回旋という言葉が入ります。
この回旋系伸張反射とただの伸張反射の違いは、ただの伸張反射は一方向のみの筋肉の伸び縮みに対して、回旋系伸張反射は肩周辺の筋肉を総動員してねじり戻しているので、スピードに加えてパワーがあります。
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