「僕はまだテニスの生徒で宿題が山ほど残っている」4回戦を制したジョコビッチ [ウインブルドン]

4回戦を制してガッツポーズを見せるノバク・ジョコビッチ(セルビア)(Getty Images)


 2年ぶりの開催となる今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月28日~7月11日/グラスコート)の男子シングルス4回戦で、第1シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)が第17シードのクリスチャン・ガリン(チリ)を6-2 6-4 6-2で下してベスト8に進出した。

 ジョコビッチは日々ストイックな生活を送っていることの重要性を語った。

「僕はできることは何でもやる。睡眠、日々の生活でパフォーマンスアップ、リカバリー、準備に関わることはすべてやっている。個人のアスリートとして活動するからには、試合に勝っても負けても自分次第で、自分の交代選手は誰もいない。個人競技の利点でもあり欠点でもある。すべての日々の事柄、日々のルーティン、よい慣習、悪い慣習、食事、睡眠、トレーニング、すべてが影響するんだ。特に長いスパンで考えると影響が大きい。私のアプローチが自分にとってうまく機能していると信じたい。家族も自分の考えに基づいて生活してくれている。僕らはみんな人間で、誰でも間違いも犯す。でも、日々感謝しながら生きている」

 観客の多くが自分の相手を応援することが多いが、受け入れるしかない。

「今日はそうでもなかったね。素晴らしい雰囲気で応援もしてもらえた。多くの人がアンダードッグに勝ってほしいと願っているのは理解できる。嫌でも受け入れるしかない。気にしないで自分のメンタルをニュートラルな状態に戻してプレーに集中することが大事だ。でも、僕も人間だから自分を見失うこともあるし、イライラすることもある。相手によって自分がたくさん応援してくれることも、あまり応援してもらえないこともある。その日によって違うんだ」

 セットを落としたのは1回戦でのひとつのみだ。

「今日の試合には満足している。3回戦があまりよくなくて、アップダウンがあり不安定だったからね。今日は最初から最後のポイントまで安定していた。すべての瞬間に集中できていた。サービスもよかったし、コートをうまく使えた。クリスチャンは初めてのセンターコートで緊張していたから、立ち上がりはアンフォーストエラーが多く、楽に第1セットを取ることができた。第2セットは僅差のゲームもあったが、一番必要なときにしっかりブレークできた。サービスが本当によかった。それがゲームに大きな影響を与える。サービスの調子がよく、フリーポイントをたくさん奪えてサービスゲームに時間をかけずにキープできると、リターンゲームで自信が増してリラックスできる。本当に満足だ」
 
 ボリス・ベッカー(ドイツ)の記録を抜いて、ウインブルドン最多ベスト8進出となり、50度目のグランドスラム準々決勝となり、あと3勝で20度目のグランドスラム優勝に届く。

「教えてくれてありがとう。うれしいよ。大好きなテニスで記録を破るのは最高だ。他のどの選手よりも自分のすべてをテニスに捧げてきた。ベストを尽くすだけだ。いろんな記録があり、すべてを確認している訳じゃないけど、モティベーションにはなっている。最高のテニスをする力になってくれている」

 歴代最高の選手という称号について。

「自分が歴代最高かどうかはあまり考えていない。この地位に辿り着き、テニスの歴史に名を刻んだことは光栄だ。それと同時に僕は毎日のルーティン、ツアーでも毎日の生活に集中しなければならないんだ。それが自分に多くの成功をもたらしてきた。もし、誰が歴代ナンバーワンかということ、その話題について本気で考え始めたら、僕は今一番大事にしていることから脱線してしまうだろう。一つひとつ、1日1日の積み重ね、自分に自信を与え、心地よくしてくれることに集中することが、最終的にグランドスラムでの最後のステージへ自分を導いてくれる」

 大きな野望を持っていることは隠さない。

「グランドスラム最多優勝を狙っていること、歴代ナンバーワンになることは大きな目標であり、モティベーションのひとつになっている。でも、それが毎日の生活に悪い影響を与えていない。僕はそのバランスをうまく取ろうとしている。多くの声が自分の耳に入ってくるし、自分のエゴを刺激するものだ。人々の話題になることは光栄だ。でも同時に自分はいつも集中すべきことに集中している。それこそがすべてがうまく運ぶ方法だと信じている」

 歴史に残り、未来に偉大な選手として語り継がれるのではないかと言われている。

「うれしいよ。でも僕はまだテニスの生徒であり、まだまだ宿題が山ほどたくさん残っており、歴史ももっと勉強しないといけない。責任もある。ウインブルドンで世界ナンバーワンとして、ディフェンディング・チャンピオンとしてコートに立つと、いいプレーをすることだけより大きな期待をかけられる。コートの内外でのマナーも問われる。いつもではないが。僕は最大限努力してテニスのためによいアンバサダー、表現者であろうとしている。テニス界の内外だろうと、スポーツ界の内外だろうと、セルビアの国内外であろうと同じだ。世界中で愛されるスポーツで世界ナンバーワンになると、重くて責任が大きい重要な役割がある。それは光栄なことなので楽しもうと思っている。いま教えてくれた記録などを聞いて自分を奮い立たせ、さらにうまくなり、より多くの勝利をおさめる原動力にしようとしている」

 ジョコビッチは準々決勝で、マートン・フチョビッチ(ハンガリー)と対戦する。(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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