途中棄権から一夜明け、ラドゥカヌが18歳で経験した夢のような大会を振り返る [ウインブルドン]
2年ぶりの開催となる今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月28日~7月11日/グラスコート)の女子シングルス4回戦を呼吸困難に陥って途中棄権した翌日、18歳のエマ・ラドゥカヌ(イギリス)は自分はもう大丈夫だと人々に知らせようとした。そして彼女は、より強くなって戻ってくることを心に誓った。
ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したラドゥカヌは予想外の4回戦進出を果たし、世界ランク338位の比較的知られない存在から突如としてウインブルドンで観客のお気に入りとなった。しかし彼女は月曜日、アイラ・トムヤノビッチ(オーストラリア)に対する4回戦が4-6 0-3となった時点でプレーを止めなければならなかった。
ラドゥカヌはSNSの投稿を通し、「昨夜の経験はトップでプレーするためには何が必要かを学ぶために大いに役立つことでしょう」とコメントした。
また火曜日に英国放送協会(BBC)のインタビューに応じたラドゥカヌは、プレーを止めるよう医師にアドバイスされたのだと明かした。
「呼吸をするのが非常に難しいと感じました。第1セット終盤の非常に長いラリーによってそれが助長され、それで落ち着きを保って呼吸を整えるのが難しくなってしまったのだと思います」と彼女は説明した。
「何が原因でそうなったのかは分かりません。先週に舞台裏で起こっていたすべてが組み合わさって起きたのだと思います。話題になって興奮が蓄積したことも原因だったかもしれません」
ツアーレベルの大会で本戦の舞台に立ったのが2度目に過ぎなかったラドゥカヌは、ウインブルドン前に経験した最多の観客は「恐らく100人くらい」だったと話した。
イギリスではラドゥカヌが棄権したことについて、主催者が経験の浅いティーンエイジャーをこのような目立つ舞台に立たせることによって彼女に害を与えたのではないのではという議論が起きた。しかしラドゥカヌは早くも、ふたたびウインブルドンで満員となった観客を前にプレーすることを楽しみにしていた。
「私は人生最高の時間を過ごしました。この1週間は本当に素晴らしいものでした。あのようなサポートを感じたことは今まで一度もありませんでした」とラドゥカヌは夢のような大会を振り返った。(APライター◎マティアス・カレン/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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