バーティがケルバーを倒して決勝進出「ここ暫くの間で最高のレベルだった」 [ウインブルドン]

写真は準決勝を戦い終えて健闘を称え合うアシュリー・バーティ(オーストラリア/右)とアンジェリック・ケルバー(ドイツ)(Getty Images)


 2年ぶりの開催となる今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月28日~7月11日/グラスコート)の女子シングルス準決勝で、第1シードのアシュリー・バーティ(オーストラリア)が第25シードのアンジェリック・ケルバー(ドイツ)を6-3 7-6(3)で退けた。

 先月のフレンチ・オープンで腰のケガのためにプレーを止めたときのバーティにとって、最初のウィンブルドン決勝進出が間近に迫っているなど想像し難かったことだろう。彼女があと2ポイントで第3セットにもつれ込むところに追い詰められていたときでさえ、そうだったかもしれない。

 しかしバーティはあまり長いこと障害物に煩わされるままになることはなく、勝利への道を見つけ出した。だからこそ彼女は世界ランク1位なのであり、2018年チャンピオンのケルバーを倒した今はグランドスラム大会で2つ目のタイトル獲得まであと一歩というところに立っているのだ。

「浮き沈みがあり、その中間にはすべてがあった。私は自分が辿ってきた道の中で、1日も一瞬たりとも変えたいとは思わない」とバーティは語った。彼女は2011年ウィンブルドンでジュニアの部を制したが、バーンアウト(燃え尽き症候群)したため2014年から2年間ほどテニスから離れていた。

「類いまれな道程で、信じられないようなものだった。厳しかった。私をこの地点に導いた本当に多くのことがあったわ」

 準々決勝の第2セットで、彼女は重大なテストに直面した。バーティが2-5からの自分のサービスゲームでデュースとなり、33歳のケルバーがセット奪取まであと2ポイントと迫ったときのことだ。スタジアム埋め尽くした観客たちはケルバーの挽回を後押しし、「カモン、ケルバー!」「カモン、アンジー!」の叫びが飛び交っていた。しかしバーティはそこを切り抜けてキープし、それからフォアハンドのパッシングショットを決めてブレークバックに成功して5-4と追い上げた。

 それはバーティが38対16と相手を上回ったウィナーの一部であり、彼女の勝利を支えた第一の要因でもあった。さらに注目に値するのは、彼女は16本しかアンフォーストエラーを犯さずそれほど多くのウィナーを産み出したということだ。

「素晴らしいレベルだった。ここ暫くの間では最高のレベルだったわ」とバーティは自画自賛した。

「アンジーは素晴らしいファイターよ。彼女は今日、私からベストを引き出したわ」

 それは必要なときにはボレーやドロップショット、ロブにトライしたいと望むふたりの才能あるベースラインプレーヤーによるかなり拮抗した見応えのある戦いだった。ふたりはお互いに長いラリーにも強く、9ストローク以上続いたラリー22回のうちケルバーが12ポイントを取った。

 しかしながら、ふたりのアプローチは違っていた。ケルバーはボールをフラットに叩く左利きの選手で、頻繁に膝が芝に着くほど膝を落として相手の打つ低いショットに問題なく対処する。バーティはパワーを込めたフォアハンドの重いトップスピンを主体とする右利きの選手で、彼女が駆使するスライスのバックハンドはグラスコートで扱いにくいバウンドを生み出すことができる。

 最終的にバーティはサービスエースで8対0と相手を凌駕し、フォアハンドのウイナーは18対9だった。

「私は自分のテニスをプレーしようとしていたわ。でも彼女はいつも、(自分の攻撃に対する)いい答えを持っていたのよ」とケルバーは振り返った。

 バーティは最終ラウンドで、第8シードのカロリーナ・プリスコバ(チェコ)と対戦する。プリスコバは第2シードのアーニャ・サバレンカ(ベラルーシ)を5-7 6-4 6-4で倒し、準優勝に終わった2016年USオープン以来となるグランドスラム決勝の舞台に辿り着いた。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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