ウインブルドンと東京オリンピックをスキップしたナダルが初参戦のシティ・オープンでプレーを再開「ベストを尽くすためにここにいる」
明かしていなかった足の問題のためウインブルドンとオリンピックをスキップしたラファエル・ナダル(スペイン)が、ラケットに触れなかった3週間を経てコートに戻ってくる。水曜日の夜にナダルはシティ・オープンで競技に戻り、ハードコートで行われるUSオープン前のウォームアップ大会に初出場する。
大会の目玉はもちろんナダルで、メインスタジアムの正面のど真ん中には「これがテニスだ」という言葉の上で吠える彼の姿がある。今週末に行われた彼の公開練習には、大勢の見物客が押し寄せた。
月曜日から本戦がスタートするこの大会にはライリー・オペルカ(アメリカ)、テイラー・フリッツ(アメリカ)、セバスチャン・コルダ(アメリカ)、ライリー・オペルカ、テイラー・フリッツ、ジェンソン・ブルックスビー(アメリカ)のほか、メリーランド州出身のフランシス・ティアフォー(アメリカ)などの若いアメリカ人たちがこぞって出場する。それ以外にもフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)、ヤニク・シナー(イタリア)、ニック・キリオス(オーストラリア)らもエントリーしている。
6月11日に13回優勝していたフレンチ・オープンの準決勝でノバク・ジョコビッチ(セルビア)に敗れたあと、35歳のナダルは休息期間を取る決断を下した。その理由について本人は、日曜日のビデオ記者会見で「僕の体が決めた」と語った。
「もし自分の意志で選ぶのであれば、僕は決してウインブルドンとオリンピックを欠場したりはしなかった。でもクレーコートシーズンのあと、僕は(身体的理由から)これらの大会で戦うことができなかった。足に問題があったんだ。だから20日間はテニスをプレーすることを止めなければならず、20日間ほどラケットに触らなかったよ」と彼は説明した。
「僕は30分くらいの練習からゆっくりと始め、それから少しずつ時間を増やしていった。そんな訳で、こういったすべての回復過程を潜り抜けてきたんだ」
ツアーから離れ、特にジョコビッチが20回目のグランドスラム制覇を果たしたことで自分とロジャー・フェデラー(スイス)に追いついたウインブルドンに出場せずにそのような時間を取ったことを彼は後悔しているだろうか?
「それがやるべきことだった。正しい決断だった」とナダルは断言した。
初めてアメリカの首都でプレーすることで、ナダルはUSオープンのための準備を通常より1週間早く行うことができる。
「彼がワシントンDCに来たなんて、信じられないほど素晴らしいことだよ。彼ほどの選手が出場してくれるなんて、伝説に残るような特別なことだよ」とティアフォーは興奮気味に話した。
今年最後のグランドスラム大会は、8月30日に開幕する予定になっている。ナダルはフラッシングメドウで過去4度優勝しており、最後に栄冠に輝いたのは2019年のことだった。彼は1年前、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックのために無観客で開催された昨年のUSオープンを欠場していた。
あと1ヵ月ほどで始まるUSオープンで、ナダルはジョコビッチとフェデラーの記録追い抜き四大大会を21回制した初の男子プレーヤーになることを目指すことになる。そしてそのゴールに向けての作業は、すでに始まっている。
「すべて回復するのにどのくらいの時間がかかるかは分からないけど、僕に言えることはどの瞬間にもベストを尽くすためにここにいるということだ。ここ数日練習したことが、1回戦で十分に戦えることの助けになることを願っているよ」とナダルはコメントした。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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