「U-12の頃から私とレイラは凄く遠くまで来た」決勝でフェルナンデスと対戦するラドゥカヌ [USオープン]

マリア・サカーリ(ギリシャ)を退けて決勝進出のエマ・ラドゥカヌ(イギリス)(Getty Images)


 今年最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月30日~9月13日/ハードコート)の女子シングルス準決勝で、予選から勝ち上がってきたエマ・ラドゥカヌ(イギリス)が第17シードのマリア・サカーリ(ギリシャ)を6-1 6-4で倒して決勝に進出した。

「マリア・サカーリ(ギリシャ)が相手だから、今日は凄く難しい試合になると予想していた。彼女は女子ツアーの中でもっとも優れたアスリートのひとり。チャンスを掴むためには自分の最高のパフォーマンスが必要だと思っていた。ここニューヨークで最高に近いテニスができた。物凄くアグレッシブに戦う必要があった。何とかそれを実行でき、今日のパフォーマンスにも満足している」

 君や決勝で対戦するレイラ・フェルナンデス(カナダ)は若く、プレッシャーがないと言われているが、実際はどうなのか。

「若いことによって何の束縛もなく自由にプレーできる。でも、これから年齢と経験を重ねたら、自分にも同じようにプレッシャーがかかると思う。そのとき状況はまるっきり変わっているでしょう。自分より若い選手が出てくるだろうし。今は自分のゲームプランを遂行することしか考えていない。誰がこの試合で勝つと予想されているということはまったく気にしていない。その日にすべきことを考えているだけ。今はそれが上手くできている」

 レイラとジュニアの頃に対戦したと言っていたが、そのときの彼女の印象を教えてもらえないか?

「ウインブルドン・ジュニアで対戦した。初対戦はもしかしたらオレンジボウルかもしれない。確かU-12だった。私がトロント生まれで、彼女がカナダ人で共通点があったから、そこで話すようになったのかな。そのあとにウインブルドン・ジュニアで対戦した。その頃を考えると、2人とも物凄い遠くまで来たなと実感する。人間的にもね。最後に対戦したときとは全然違った試合になると思う。今大会どちらもいいプレーをしているから、間違いなくいい試合になるはず」


2017年、ウインブルドン・ジュニアに出場したエマ・ラドゥカヌ(イギリス)

 今、イギリスでは君の話題で持ち切りだ。一気に有名になってどんな気分?

「今大会の私の結果を気にしてくれている人に感謝を伝えたい。凄く応援してくれて、メッセージもたくさん受け取っている。すべてに返信できず、ごめんなさい。今はほとんど携帯をチェックしないで、ここでの生活に集中している。でも、応援には本当に感謝している。イギリスでどんな雰囲気なのかはまったくわからない。自分のチームと一緒に集中して、ここでのことにフォーカスしているから」

 ここまで達成したことをどう表現する?

「サプライズ。正直まだ信じられない。ショック、クレイジーを超えている。この状況にいることは本当に意味のあること。グランドスラムで活躍したいと思っていたけど、それがいつできるかなんて想像もできなかった。まだ浅いキャリアの中でグランドスラムの決勝までいけたことに、言葉が出ない。ここまでサポートしてくれた皆に感謝したい。イギリステニス協会は私が若い頃からサポートしてくれた。イギリスから見守ってくれているチーム、ここで一緒に戦ってくれているチーム、彼ら無くして私はここにこられなかった」

 これまで獲得したトロフィーで一番のお気に入りは?

「2年前にインドのプネーで2万5000ドルの大会で優勝した。それがたぶんキャリア最大のタイトル。今大会はもちろんキャリア最高の成績になる。先のことはあまり考えたくないけど、すべては土曜日の試合で決まる」

 記憶にある最初のグランドスラムの決勝は? またそこに出場することの意味は?

「多分、最初に観たのはウインブルドン。テレビでも観たし、子供の頃は実際に会場へも行った。当時のコーチが日帰りでウインブルドンに連れて行ってくれた。凄く大きな経験だった。その場所で今プレーすること、本戦でプレーすることは大きな意味がある。小さい頃から憧れていた場所だから」

 そのとき誰が決勝を戦っていたか覚えている?

「ごめんなさい、覚えていない。でも自分にとってはまず、今大会の本戦に出られたことがすべてだった。そしたら、今はグランドスラム、USオープンの決勝まできた。いつもグランドスラム大会に出ることを夢見てきたけど、それがいつ実現できるかなんて見当がつかなかった。これほど早くそのときがやってくるとは夢にも思わなかった。まだツアーに参戦して1ヵ月程度。ウインブルドンからたった2ヵ月後。とんでもないことが自分の身に起きている」

 先日10年前の君の試合についてのツイートを発見した。若い頃に自分が国際舞台で戦えると思ったのはいつ頃?

「凄く役に立ったのはイギリステニス協会が若い選手たちのために合宿や、ヨーロッパへの遠征を企画してくれたこと。彼らのおかげでその頃からU-11、U-12で貴重な経験を積むことができた。U-11で優勝したときがひとつのサインだったかもしれない。初めて国際大会を制したから。それらの大会や遠征で結果が出始めたとき、もしかしたら自分に可能性があるのかなと思った。でも、実際にプロで生きていこうと決断したのは2年前くらい。だから、選手がダメだったときのために、ずっと勉強にも力を入れてきた。おかげで今でもテニス以外の選択肢を持っている。今は100%テニスに集中しているけどね」

 レイラとはその後も連絡を取り合ったりしたの?

「いや、実はそんなにゆっくり話したことがない。大会で顔を合わせたら笑顔で挨拶をする。とても感じのいい子だと思う。気は合いそう。でも普段から連絡は取り合っていない」

 君がカナダ出身と聞いて、カナダのファンが喜んでいる。自分のルーツについて少し話してくれないか。

「カナダの人たちが応援してくれて本当にうれしい。私はカナダで生まれて、数年後にロンドンへ移った。今でもカナダのパスポートは持っている。応援は本当に大きな意味がある。土曜日のレイラとの試合はかなりタフな試合になる。彼女は素晴らしいテニスをしている。でも私もいいテニスができていると思う。本当に決勝の舞台に立つのが楽しみ。どちらにとっても素晴らしい雰囲気になると思う」

 君もレイラも大坂なおみ(日清食品)も母親はアジア系。そのような選手が出てきたのは偶然、それとも必然だと思う?

「中国人の母は小さい頃から規律とハードワークを自分に植え付けてくれた。そして私自身、若い頃はリー・ナ(中国)からたくさんの刺激をもらった。彼女は闘争心のある選手だった。動きもいいし、いい武器も持っていたけど、一番私が見習いたいのは内面の強さだった。彼女がフレンチ・オープンの決勝でフランチェスカ・スキアボーネ(イタリア)と対戦したのを観た覚えがある。凄く長く、タフな試合だった。彼女がそこで見せたメンタルの強さと、苦しい状況から復活する力が凄くて、今でも脳に焼き付いている」

 今、自分が見せているテニスのレベルに驚いている?

「USオープンに向けてたくさんの試合をこなしてきた。シカゴで125シリーズと100Kの試合に出場して、1試合ごとに自分のプレーを組み立てていった。USオープンに来たとき、自分がどのくらいのレベルなのかわからなかった。世界のトップ選手たちと戦えるまでステップアップできていたことには、正直少し驚いた。実は、ここにいる選手たちに対して十分戦える力が自分の中にはあるんじゃないかと思っていた。でも、そのレベルを1セット、2セットと長く維持できるかどうか、自信がなかった。それができて、世界で最高の選手たちに勝てたことは、正直ちょっと信じられない。彼女たちは凄くファイトするし、物凄く経験があってそれを生かしてプレーしているから、本当にタフだった。今大会の試合で難しい場面を潜り抜けてきたことは、物凄く誇りに思っている」(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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