予選からの勢い止まらぬ18歳ラドゥカヌが2度目のグランドスラム本戦でオープン化以降初の快挙「気が付いたら決勝にいた」 [USオープン]
今年最後のグランドスラム大会「USオープン」(アメリカ・ニューヨーク/本戦8月30日~9月13日/ハードコート)の女子シングルス準決勝で、勢いに乗るエマ・ラドゥカヌ(イギリス)が第17シードのマリア・サカーリ(ギリシャ)を6-1 6-4で倒してグランドスラム初優勝に王手をかけた。
試合序盤からサカーリを圧倒したラドゥカヌは、プロ化以降のグランドスラム大会で決勝に勝ち上がった初の予選勝者となった。2度目のグランドスラム本戦に挑戦中のラドゥカヌは、予選での3試合と本戦での6試合でプレーした18セットをすべて取っている。
「私はとにかく、毎日毎日に取り組んでいるところなの。そして3週間後、気が付いたら私は決勝にいた。信じられないわ」とラドゥカヌはコメントした。
誰が信じられるだろうか? 当初はその辺りで終わるだろうと推測し、予選終了後にニューヨークを出発するフライトを予約していたラドゥカヌはこの事態を予想してはいなかった。
サカーリに対する準決勝で彼女はいきなり5-0とリードし、そこからも状況はほぼ何も変わらなかった。その間にサカーリが7つ、ラドゥカヌは3つのブレークポイントを手にしたが、違いはサカーリがひとつも取れなかったのに対してラドゥカヌは2本をものにしたことだった。彼女はその2つとも、相手のミスに助けられた。サカーリはひとつ目にバックハンドをネットにかけ、2つ目はダブルフォールトで失った。
最終的にラドゥカヌは17本しかアンフォーストエラーを犯さず、サカーリは33本だった。そしてラドゥカヌは、17歳のときに2004年ウインブルドンで優勝したマリア・シャラポワ(ロシア)以降でもっとも若いグランドスラム大会決勝進出者となったのだ。
ワイルドカード(主催者推薦枠)を得てグランドスラム本戦デビューを飾った今年のウインブルドンで4回戦に進出したラドゥカヌは、そこで呼吸困難に陥って試合途中で棄権を余儀なくされていた。
「悲しいわ。初の決勝に進めなくて凄くがっかりよ。でも、近いうちにそのときがやってくると確信している」とサカーリは語った。
土曜日に行われる決勝で、ラドゥカヌは第2シードのアーニャ・サバレンカ(ベラルーシ)を7-6(3) 4-6 6-4で破って勝ち上がった19歳のレイラ・フェルナンデス(カナダ)と対戦する。グランドスラム決勝が10代のふたりで争われるのは、17歳のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)が18歳のマルチナ・ヒンギス(スイス)を倒した1999年USオープン以来のこととなる。(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
写真◎Getty Images
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