欧州選抜が圧勝で4連覇を達成、敗れた世界選抜のマッケンロー監督は大会の地位向上に向けて提言 [第4回レーバー・カップ]

写真は圧勝で大会4連覇を達成し、ロッカールームで喜びを分かち合う欧州選抜(Getty Images)


 2017年に創設された『欧州選抜vs世界選抜』のチーム対抗戦「第4回レーバー・カップ」(アメリカ・マサチューセッツ州ボストン/9月24~26日/室内ハードコート)の全日程が終了し、欧州選抜が14対1と世界選抜を圧倒して4連覇を達成した。

 世界選抜の監督を務めたジョン・マッケンロー(アメリカ)はレーバー・カップがより注目を集めることを望んでおり、ATPツアーがこの3日間のイベントとバッティングする日程で他の大会を組んでいるのは間違いだと考えている。

「これは私の個人的な意見だが、この大会を例えばライダーカップのようなレベルのイベントにしたいのなら他のツアー大会を同時進行で行うべきではないと思う。この大会だけでなければならない」とマッケンローは同じく今週末に開催されたゴルフのチーム大会(ヨーロピアンツアーとアメリカツアーの代表選手による対抗戦)を引き合いに出して言った。

「『他のプレーヤーはカザフスタンかどこかの大会でプレーしてポイントを稼ぐ必要がある』などという感じではいけないよ。それには同意できない。それはATP(男子プロテニス協会)によるミスだと僕は思うんだ」
 
 自身のマネージメント会社が大会の立役者となっているロジャー・フェデラー(スイス)と『年間グランドスラム(同じ年に四大大会全制覇)』を2度達成したレジェンドのロッド・レーバー(オーストラリア)が関与していることについて、マッケンローは指摘した。

「それでも僕が受けるに値すると考える敬意を得るのは困難だ。非常に残念だよ」とマッケンローはコメントした。

 今回の出場者にフェデラー、ラファエル・ナダル(スペイン)、ノバク・ジョコビッチ(セルビア)の『ビッグ3』がいなかったにも関わらず、欧州選抜は全9対戦のうち8試合に勝った。大敗を喫した世界選抜のマッケンロー監督は、今回の会場だったアリーナのコートは遅すぎたと文句を言った。

 日曜日のダブルスでは、東京オリンピック金メダリストのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)と同ミックスダブルス金メダリストのアンドレイ・ルブレフ(ロシア)がライリー・オペルカ(アメリカ)/デニス・シャポバロフ(カナダ)を6-2 6-7(4) [10-3]で倒した。これによりビヨン・ボルグ(スウェーデン)が監督を務める欧州選抜は、レーバー・カップの勝者となるために必要な13ポイントを獲得した。各試合の勝利は金曜日が1ポイント、土曜日が2ポイント、日曜日は3ポイントの価値を持つ。


欧州選抜の勝利を確定させたアンドレイ・ルブレフ(ロシア/左)とアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)(Getty Images)

 欧州選抜はフェデラーとナダルまたはジョコビッチが参加し、2017年から19年までの最初の3大会で勝者となっていた。2021年のチームにはズベレフとルブレフのほかにもUSオープンでグランドスラム初制覇を果たしたダニール・メドベージェフ(ロシア)、フレンチ・オープン準優勝者のステファノス・チチパス(ギリシャ)、ウインブルドン準優勝者のマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)、キャスパー・ルード(ノルウェー)がおり、6人全員がトップ10プレーヤーの編成だった。

 一方の世界選抜はシャポバロフとオペルカに加えてフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)、ディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)、ジョン・イズナー(アメリカ)、ニック・キリオス(オーストラリア)という布陣で、世界ランク11位のオジェ アリアシムが最高位の選手だった。

 ボストンは2020年にレーバー・カップの開催地となるはずだったが、新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより1年延期となっていた。(C)AP(テニスマガジン)

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写真◎Getty Images

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