バドーサがアザレンカに競り勝ち初出場でタイトルを獲得した大会史上3人目の女子プレーヤーに [WTAインディアンウェルズ]

写真は優勝を決めた瞬間のパウラ・バドーサ(スペイン)(Getty Images)


 WTAツアー公式戦の「BNPパリバ・オープン」(WTA1000/アメリカ・カリフォルニア州インディアンウェルズ/10月6~17日/賞金総額876万1725ドル/ハードコート)の女子シングルス決勝で第21シードのパウラ・バドーサ(スペイン)が第27シードのビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)に7-6(5) 2-6 7-6(2)で競り勝ち、初出場のインディアンウェルズで優勝を遂げた史上3人目の女子プレーヤーとなった。

 過去に同じことをやってのけたのは、2019年のビアンカ・アンドレスク(カナダ)と1999年のセレナ・ウイリアムズ(アメリカ)だけだった。23歳のバドーサがWTAツアーでタイトルを獲得したのは、5月のベオグラード以来でキャリア2度目となる。

 世界ランク1位のアシュリー・バーティ(オーストラリア)、大坂なおみ(日清食品)、セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)らが大会をスキップし、2位のアーニャ・サバレンカ(ベラルーシ)は新型コロナウイルス(COVID-19)に感染して欠場を余儀なくされた。2週間に渡る大会は番狂わせの嵐に見舞われ、第1シードのカロリーナ・プリスコバ(チェコ)や第2シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)らはベスト8を前に姿を消した。

 今大会でのバドーサは初戦をフルセットで乗り越えたあと、第15シードのコリ・ガウフ(アメリカ)、第3シードのバーボラ・クレイチコバ(チェコ)、第10シードのアンジェリック・ケルバー(ドイツ)をいずれもストレートで下して決勝進出を決めていた。

 3時間を超える熱戦となった決勝は第3セット序盤のブレークを克服したアザレンカが5-4とリードして自分のサービスゲームを迎えたが、30-0から4ポイントを連取されて試合を終わらせることができなかった。

「私たちはともに自分の得意なショットを思い切って打ち、お互いに最大限を尽くして戦っていたわ」とアザレンカは振り返った。

 最後のタイブレークは一方的な展開となり、バドーサがフォアハンドのウィナーを叩きこんだあとベースライン付近で倒れこんだ。うつ伏せになった彼女は体を震わせてむせび泣き、やがて立ち上がるとネットの向こうから出向いたアザレンカが勝者を抱きしめて祝福した。

「今週に私がもっとも学んだのは、“不可能なことなどない”ということ」とバドーサはコメントした。

 1年前に世界87位だったバドーサは今大会を27位として迎え、週明けに更新されるWTAランキングで自己最高の13位に浮上することが確実となった。

 グランドスラム大会を2度制した実績を持つ元世界1位のアザレンカは出産前の2012年と16年にインディアンウェルズでチャンピオンに輝いており、女子では大会史上初の3度目のタイトル獲得を目指していた。今シーズンのアザレンカはケガに苦しめられ、グランドスラム大会ではフレンチ・オープンでの4回戦進出が最高成績だった。

「今年はちょっぴりチャレンジだったわ。必ずしも望んでいた結果ではなかったけど、私が求めていた進歩を感じることができた。好調な状態でシーズンを終えることができるというのは本当にポジティブなことよ」とアザレンカは語った。

 前日にはダブルス決勝が行われ、第2シードのシェイ・スーウェイ(台湾)/エリース・メルテンス(ベルギー)がベロニカ・クデルメトワ(ロシア)/エレナ・リバキナ(カザフスタン)を7-6(1) 6-3で倒して同ペアでの2勝目を挙げた。

 昨年の大会は新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックにより中止となり、2021年大会は3月から延期されて史上初めて秋に開催されることが決まっていた。(APライター◎ベス・ハリス/構成◎テニスマガジン)


女子ダブルスで優勝を飾ったシェイ・スーウェイ(台湾/左)とエリース・メルテンス(ベルギー)(Getty Images)

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写真◎Getty Images

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