シャラポワが初戦敗退後、次は何かを語れず [オーストラリアン・オープン]
もう10年以上、治ったかと思えばまたぶり返す右肩の故障に苦しめられ、シャラポワはもはやかつてのような選手ではなくなった。問題のひとつはシンプルに肩であり、もうひとつは健康の問題のために試合数が不足していることだった。
2019年シーズンの彼女は合計15試合しかプレーしておらず、戦績は8勝7敗だった。2年前のメルボルンで前年度覇者だったカロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)を倒して4回戦進出という幸先のいい進撃を見せたあと、シャラポワは2019年の残りを5勝6敗で通り抜けた。
「敗戦の45分後に、自分が正しい軌道の上にいると言うのは難しいわ」と彼女はコメントした。「でも、自分を信じ続ける以外にそこから抜け出す方法はない。もし適切なすべてのことをやり、その上で自分を信じなかったら、それは悪い方程式だと思うから」。
オーストラリアン・オープンで一度も2回戦を超えたことのない第19シードのベキッチに対してシャラポワは第2セットの出だしに4-1とリードして軌道を正したように見えていたが、そこから最後の5ゲームを連続で落とした。
「彼女はかつて同様、ボールを強く打っている」とベキッチは言う。そうかもしれない。しかしシャラポワは、特にフォア側でボールを自分の望むところに入れていない。彼女はフォアサイドだけで18本のアンフォーストエラーをおかし、これはベキッチのフォアとバック合わせたミスの合計17本よりも多かった。
「彼女はそのキャリアで、いくつかの素晴らしい成績を挙げた。その労働倫理は驚くべきだわ。彼女のオフシーズンのトレーニングを見たけれど、彼女は本当にハードワークを積んでいる」とベキッチは敬意を表した。
べキッチはシーズン前に、シャラポワといっしょに練習を行っていた。「だから、彼女の結果は今に出ると思う」。
そうかもしれない。そして、そうではないかもしれない。もちろんシャラポワ自身を含め、誰にもわからないことだ。
「やってきたトレーニングに関して言えば、ええ、私は正しいことをすべてやった。私はすべての適切な練習を行った。でもそれらすべてのことをやったとしても、それが1回戦、3回戦、あるいは決勝で勝利を保証する訳ではない。それがテニスというものなのよ」と彼女は語った。
「だからこそ、チャンピオンになるというのはこれほどまでに特別なことなの。たった一度であってもね」
(APライター◎ハワード・フェンドリック/構成◎テニスマガジン)
※写真はマリア・シャラポワ(ロシア)(撮影◎毛受亮介 / RYOSUKE MENJU)
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