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Jannik Sinner
ヤニク・シナー


2001年8月16日、サンカルディード生まれ/188㎝76㎏/19歳

テニスに真摯な誰もが期待を抱く才能

 いつもテニスについて話している。すべてについて知りたがる。いつも成長したがっている賢明な少年。非常に真面目で、精神的に成熟し、良心的かつ真摯なので、まるでイタリア人ではないかのようである(!)。セッピやチェッキナートのコーチだったマッシモ・サルトーリがシンネルの存在を有名な指導者リッカルド・ピアッティに知らせ、13歳のときにリグリア地方のボルディゲラに移り住むため、両親がヴァル・フィスカリーナで山岳レストランを経営している故郷のトレンティーノと、やはり得意だったアルペン・スキーを後にした。オーストリア国境にほど近いアルプスの中にある北イタリアの町出身の彼は、スキーの大回転でも将来有望な選手だった。

 シナーはラケットでボールを打って電気のスイッチを消そうとすることで、夜にも自分の部屋でトレーニングを続けていた。自分でラケットのストリングを張って出費を節約できるよう、両親にストリング・マシンを買うお金を貸してくれと頼んだという。ジュニアの活動をほぼスキップし、2018年1月にはサテライト大会からチャレンジャーへ移行。すぐにATPツアーへ参戦すると、今年のソフィアではイタリア史上最年少となる19歳3ヵ月で初のツアータイトルを手にした。

 シナーの両親は彼の試合を見に来たことはなく、彼が電話をかけると、「今、働いてるんだ!」という具合にいつも非常に手短なようだ。若きシナーは練習でとても真剣であり、コーチのピアッティは彼についてよく、「いつもテニスについて話している。すべてについて知りたがる。いつも成長したがっている。頭が良く、彼をカッとならせるのは難しい」と話していた。

 ロレンツォ・ムゼッティと仲が良く、公の場で次のように言うことで、その率直さによりムゼッティをも驚かせた。「君は僕よりテニスの才能がある。僕の強さは、頭なんだ」と言ったのだ。

 偉大な選手たちは、シナーの未来に期待を抱いている。ジョン・マッケンローは「シナーはここ10年に出現した中で最高の才能だ。彼はトップ10に入り、多くのグランドスラムで優勝するためのポテンシャルを持っている」と手放しで称え、ノバク・ジョコビッチも「彼には世界1位になる潜在能力がある」と信じている。

 高い身体能力に恵まれ、パワー、スピード、そしてジョコビッチ風のスキーヤーの足を持つ。決してバランスを崩さず、素晴らしいバックハンドを打ち、サービスとフォアハンドも向上しつつある。ネットプレーはもう少し上達が必要だろうか。バリエーションと柔軟性がまだ少し物足りないが、間違いなく将来的にトップ10に入れる選手だ。188㎝の身長はいまだ伸び続けている。


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