誰でも取り入れられる「具体的なアドバイスをしよう!」バランス指導のスペシャリスト、マーティ・スミス PART2
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オーストラリア生まれでトップジュニアとして活躍、カレッジプレーヤーを経て、現在は全米1位とされるアスレチッククラブのテニスディレクターを務めるマーティ・スミス(現在52歳)は、テニスの指導においてもっとも重要なのが「バランス」だと言っている。 そのスミスに対して、同じくテニスコーチでジャーナリストでもあるポール・ファインが、「バランスとは何か?」という質問を投げかけた。「テニスのバランス」を深く掘り下げていったロングインタビューから、中編「バランス向上のための具体的なアドバイス」をお届けしよう。(テニスマガジン2020年12月号掲載)
※次回の後編では「バランスの良いトッププレーヤーは誰か?」を掲載する予定だ。
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指導◎マーティ・スミス
インタビュー◎ポール・ファイン 写真◎getty Images、キルステン・ナビン
Q ストライクゾーンを外れたボールを打つときにバランスを保つ方法はありますか?
A ヒントがあります。“ボールはあなたのダンスパートナー”です。
――ボールが自分の“ストライクゾーン”の外、つまり胸より上や膝より下にあって、これを打ったあとにバランスを保つことは可能ですか?
スミス はい、可能です。高いバウンドのボールに対するバランスは、両足のスタンスを狭めることでよくなります。また、低いバウンドのボールに関してはスタンスを広げ、膝を曲げることです。
しかしながら、バランスやスタンスについて、コーチたちによって十分に教えられておらず、軽視されている重要な追加ポイントが一つあります。ベースライン上でのラリーで高いボールがきた場合、フォアハンド、また時折両手打ちバックハンドではオープンスタンスにするべきなのです。低いボールなら、グラウンドストロークのときにニュートラル(スクエア)なスタンスにするべきです。これらのスタンスを高低両方のボールで使い分けることでバランスを良くすると同時に、ストロークのパワーとコントロールを良くできるでしょう。
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ツアーを戦うプロを見てみましょう。彼らは早くボールを打つため、ほとんどのときにクイックなオープンスタンスを利用します。
一般プレーヤーを見ていると、フットワークについて彼らはあまりに一つの面にしか着目していないと感じます。フォアハンドではすべてオープンスタンスか、すべてニュートラルスタンスで対応しています。ほかにも多くのスタンスのバリエーションがあり、片足で打つこともあります。すべての異なる高さのボールに対してバランスを構築するための重要な基礎は、フットワークを柔軟にして、異なる状況における最適なスタンスを頭の中で整理することです。
ボールはあなたのダンスパートナーなのです。そしてテニスはかなりランダムでダイナミックなスポーツなので、バーで少し楽しんできたのはダンスパートナー(ボール)のほうなのです。ラリー中に起こり得る、多くの異なる予想外の動きに対してうまく対応しなければなりません。順応性があるフットワークで、つまりダンスにたとえるなら、ビートを変えられるダンサーは、スイングのための最高のポジションとバランスをとることができるのです。
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Q 後ろ足に重心が乗ったままプレーする人の修正方法を教えてください。
A フリーズ・テクニックをおすすめします。
――後ろ足に重心が乗ったままグラウンドストロークを打ってしまうというバランスの問題は、どのように修正できますか?
スミス 悪いバランスを強調して修正を手助けする、とても効果的な指導法――“フリーズ・テクニック”を、アメリカの元プロでありレジェンドコーチのウェルビー・バンホーンが示してくれました。
フリーズ・テクニックとは、スイングを終えた選手に、その体勢を3秒キープするよう求める手法です。この動きのないポジションから、私はバランスを分析して、良くするために何を修正すべきかを説明することができます。選手がフリーズする間にぐらついたり不安定なら、私が注視するのは足元、背中、肩であり、彼らの不安定さを修正するための方法を提供します。
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選手が後ろ足に重心を置いてボールを打ってからフリーズすると、後ろ足の踵は、地面にべったり着いてしまうでしょう。理想的なのは地面を離れることです。このチェックポイントによって、スイングの間に体重をしっかり前方に移動して、最終的には前足に体重が乗るということがわかります。
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当然、ラケットの準備が遅れるなど、ほかの要因から体重が後ろ足に乗ってしまうこともあるでしょう。それでも、私はまずフリーズ・テクニックでチェックすることで、解決策を見つけるヒントを探すことから始めます。
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