ナダルが苦闘の末にキリオスの挑戦を退け準決勝へ「各瞬間に解決策を見つけ出すことが重要」 [ATPインディアンウェルズ]

写真はラファエル・ナダル(スペイン)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「BNPパリバ・オープン」(ATP1000/アメリカ・カリフォルニア州インディアンウェルズ/3月日10~20日/賞金総額955万4920ドル/ハードコート)の男子シングルス準々決勝で、第4シードのラファエル・ナダル(スペイン)がワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したニック・キリオス(オーストラリア)を7-6(0) 5-7 6-4で倒してベスト4進出を決めた。

 期待に違わぬ熱戦となったこの試合で、キリオスは間違いなく勝つチャンスをその手に握っていた。カギとなった瞬間は、恐らく第1セット終盤にあった。第1セット第3ゲームで自らのスーパーショットとナダルのダブルフォールトなどによりブレークに成功したキリオスは、5-4から自分のサービスゲームを迎えていた。

 強烈なサービスはもちろん殴るようなフォアハンドで鋭いコースを突き続けるキリオスは、非常にいいプレーをしていた。しかしナダルが彼の真骨頂である“重要な瞬間にレベルを引き上げる力”を発揮したのは、正にそのときだった。

 まずキリオスがドロップショットを仕掛け、続くボレーのコースで選択を誤ったためにナダルがバックハンドボレーを決めるという形でこのゲームは始まった。30-15からのラリーで非常に厳しいところを突き、打ち勝っているように見えたのはキリオスのほうだったが、ナダルはしぶとくカウンタ―を狙い続け、このラリーは最終的にキリオスのネットミスで終わった。

 次のポイントでこれまでになく深いショットでキリオスにミスを強いて30-40とブレークポイントを握ったナダルはできるだけ多くのボールをフォアハンドで打とうとするキリオスのバックハンド側にショットを集め、無理に回り込もうとしたキリオスはフォアハンドをアウトした。ナダルの策に嵌ったキリオスは、ブレークバックを許してしまった。そして恐らく、このゲームが運命を分けた。

「自分がいいプレーをしていると感じていた。第1セットでやろうと計画していたことを、すべて正しく実行していると感じていた。コーチ――僕自身――と一緒にプランを立て、すべては機能していた」と特定のコーチを付けていないキリオスは振り返った。

「第1セット獲得まで2ポイントだった。5-4からのゲームを彼がどうやって抜け出せたのかわからない。5-4、30-15…。僕はただ、あのポイントを頭の中で何度も何度も繰り返しリプレーし続けてるよ」

 次のゲームでは無理をして強打したためミスも出て、キリオスはフラストレーションから落着きを失い、タイブレークではギアアップを続けるナダルが圧倒した。最後は観客と話したキリオスにペナルティポイントが課され、キリオスは0-7でタイブレークとセットを落とした。

 しかしそこで気持ちが折れずに第2セットでは落着きを取り戻したことについては、キリオスを褒めて然るべきだろう。お互いにキープし合って6-5となったあと、キリオスはナダルのサービスゲームを破って第2セットを取り返した。このゲームで第1セットよりもずっと辛抱強くラリーに取り組んだキリオスはナダルのミスを引き出し、最後はドロップショットに追いついたあと頭上を抜こうとしてきたナダルの返球をバックのハイボレーで決めて勝負を最終セットに持ち込んだ。

 ところが第3セットでは、またもナダルの並外れた勝負強さが違いを生んだ。キリオスが序盤にあったブレークチャンスをものにし損ねたのに対し、ナダルは3-3で迎えた第7ゲームでのワンチャンスを相手のダブルフォールトでものにした。そしてこの時点で、キリオスの勝機は消えた。

 試合後の記者会見でキリオスは、「かなり辛い敗戦だ。正直に言って、彼の連勝を終わらせる男は自分だと感じていたんだ」と打ち明けた。

 一方で多くの窮地をその経験と不屈の精神、そして重要な瞬間にギアアップする能力で切り抜けてまたも勝者として浮上したナダルは、「いい第3セットをプレーできた。リターンがよくなり、サービスも安定した。キープに苦労したのは1ゲームだけだったかな。ニックがモティベーションを持っているとき、彼を倒すのは非常に困難だ。彼はポイントの傾向を非常に迅速に変えてくるし、サービスは凄まじい強さだからね」と振り返った。

「テニスでは、勢いや流れが勝負を分ける。いくつかのミスを犯して第2セットを落としたあと、第3セットの出だしは僕にとって既に勝負を決する重要性を持つものだった。最初の数ゲームでは生き残るために必死に戦わなければならなかったけど、そのあとは通常の状態に戻ったよ」

 ナダルはまた最終セットでよりうまくリターンできるようになったことについて、「立つ位置を少し前にずらし、彼の視界の位置を変えることで違ったものを生み出そうとしたんだ。うまくいったと思うよ」と説明した。

「各瞬間に解決策を見つけ出すことが重要なんだ。自分が心地よくプレーすることだけが大事なのではなく、相手にとって心地悪い状態を作らなければならない」

 キャリア最長となるシーズン開幕からの連勝を「19」に伸ばしたナダルは次のラウンドで、第19シードのカルロス・アルカラス(スペイン)と対戦する。18歳のアルカラスはこの試合に続くもうひとつの準々決勝で、タイトル防衛を目指していた第12シードのキャメロン・ノリー(イギリス)を6-4 6-3で退けた。

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写真◎Getty Images

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