ズベレフが死闘の末にシナーを倒して準決勝進出、次は前年覇者チチパス [モンテカルロ・マスターズ]

写真はアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)(Getty Images)


 ATPツアー公式戦の「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(ATP1000/モナコ・モンテカルロ/4月10~17日/賞金総額580万2475ユーロ/クレーコート)の男子シングルス準々決勝で、第2シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)が苦闘の末に第9シードのヤニク・シナー(イタリア)を5-7 6-3 7-6(5)で倒してベスト4進出を決めた。

 流れが行っては戻る、どちらに転ぶか最後までまったくわからない戦いだった。

 序盤はズベレフが4-1でリードして準決勝に向けて問題なく邁進しているかに見えていたが、シナーがそこから挽回して4-4と追いつくとズベレフはナーバスになり始めた。シナーはラリーの主導権を握ると要所でウィナーを決め、5-5からブレークした。

 劣勢を覆したシナーが第1セットを7-5で先取したときには彼のほうが流れを掴んだかに見えていたのだが、第2セット3-3から相手のサービスゲームを破ったズベレフは自信を取り戻し、そのセットを6-3で制して試合を振り出しに戻した。

 シナーが体力的にガス欠になっていくように見える中、第3セット3-3からズベレフがブレークしたときにはこれで勝負ありかとさえ思えたが、シナーは決して諦めなかった。決意に満ちたシナーは4-5と追い込まれたところでギアを上げるとふたたびラリーで張り合ってプレッシャーをかけ始め、土壇場でブレークバックに成功した。

 互いが慎重ながらもときに勇敢に仕掛けるストローク戦で凌ぎ合い、タイブレークでもシーソーゲームが続いたが、最後は5-5から長いラリーの末に2本連続でアンフォーストエラーを犯したシナーが苦杯を舐めることになった。シナーは5-5からフォアハンドの決め球をサイドアウトし、5-6からは慎重なクロスラリーで先にバックハンドをネットにかけた。

 今回も大勢詰めかけたイタリア人の観客がシナーに声援を送り、彼の敗戦が決まったあとには泣き出すファンさえ出る中、最後の重要な場面で冷静さを保ったズベレフは「本当に大きな意味がある勝利だ。特に僕にとって、今年がここまでどんなものだったかを考えれば…」と試合後に心中を吐露した。

「僕は今年、このような長い試合で何度も敗れてきた。だからこの試合に勝つことができて本当にうれしいよ。そのことは恐らく、僕の脳裏にあったのだろうね。この勝利は、間違いなく今後の助けとなるはずだ」

 ズベレフは準決勝で、ディフェンディング・チャンピオンのステファノス・チチパス(ギリシャ)と対戦する。長い試合が続いたため完全なナイトマッチとなり、夜の23時近くに終わったこの日の最終試合で第3シードのチチパスは第12シードのディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)に6-2 6-7(3) 6-4で競り勝った。

 第1セットを先取したチチパスは第2セット5-2と勝利目前まで迫りながら土壇場でブレークバックを許し、タイブレークの末にセットオールに追いつかれると第3セットでは0-4と追い込まれてから怒涛の6ゲーム連取で2時間43分の激闘を締めくくった。

 最後は非常に長いラリーとなったが、シュワルツマンのバックハンドがネットコードをとらえて手前に落ちた。勝利が決まって信じられないという表情のチチパスは疲労困憊した面持ちで両手を上げたあと、コートに屈み込んで赤土に額をつけた。

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写真◎Getty Images

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