今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」（フランス・パリ／本戦5月22日～6月5日／クレーコート）の女子シングルス1回戦で、第15シードのビクトリア・アザレンカ（ベラルーシ）がアナ・ボグダン（ルーマニア）に6-7(7) 7-6(1) 6-2で勝利した。

「グランドスラムの初戦はいつだって難しい。しかも相手が強かった。序盤は主導権を握ったけど、いつの間にか失っていた。そのあとは勝つ方法をずっと探していた。それが今日の試合。どうスタートしたかではなく、どう終わらせたかが勝負を決める。本当にタフだった。ブレークもあり、精神的にもアップダウンがあった。これを勝ち抜けてうれしい」

WTAからウインブルドン（女子テニス協会）でポイントが加算されず、君はウインブルドンでプレーできない。いろんなことが起きている中でプレーを続けるのは大変だと思う。

「世界で何が起きているかを考えると、私はここに座って自分がどれほど大変なのかを話すつもりはない。言いたいことはたくさんあるし、その一部が切り取られるだろうし、既に何度も発信したから、ここでは話さない。私が何かを話して、それをマスコミが自分たちの都合に合わせて内容を捻じ曲げるのも嫌。だからこの話題について話すべきじゃない。助けになるために自分に何ができるかが大事で、私は自分の仕事をするためにここにいる。私は自分の仕事をしているテニス選手で、今後もそれを続ける。それ以外のことは、できるだけサポートしたい。多くの人がメディアやSNSで発信しているように。私は団結すること、いい人間であり、何か助けになることがあれば喜んでする。それを続けていくだけ」

ウインブルドンでポイントが加算されないことになった決定についてどう思う？

「スローン・スティーブンス（アメリカ）の会見を見たけど、彼女が言ったことが正しいと思う。見えないところで多くのことが動いているようだ。私は選手協会から見て、すべての選手に影響がないように努力した。私の立場からは、多くの選手が最初から、最終的に大きな影響を受けるから、なるべく妥協点を見出そうとした。結果がすべて。私が何か言うと批判され、また何か言うと批判される。私は議論の中心に立ちたくない。私は自分が正しいと思う道を進む。人々の助けになりたいし、ここにいるのは自分の仕事を全うするため」

君は選手協会のリーダーでもあり、制裁を直接受ける選手でもある。その難しい立場にあるのは大変だと思う。

「この議論は本当に難しい。そのような議論をするとき、自分が影響を受けていることは考えないようにしている。それより、もっと大きな絵を見るように意識している。私は世界の中心でもないし、関連している唯一の人間でもない。私は選手たちの団結を信じている。スポーツは人々を団結させるものと信じている。私たちが団結したときに、スポーツが持つ力を見せる機会があればいい。何かいいことのためにできればいい。私は影響を受けているけど、犠牲者ではない。私は全体の利益を見ている。私は人々を助けることが重要だと思う」

この問題について他の選手に相談した？

「私はニュースの見出しになるようなことをここでたくさん言うことができる。でもしない。このようなことをここで話すのは重要だと思わないから。この問題は選手個々が判断して対応するべきもの。私は選手協会の一員として、質問がある選手に対してはいつでもオープン。裏側で何が起きているのか、選手誰にでも説明することができる。でもことわざにあるように、馬に水を与えることはできるけど飲ませることはできない。言葉通りに受け取らないで。ただのことわざだから。私たちは皆に伝えるためにベストを尽くしている。一つ明らかにすると、選手協会には投票する権利がない。もし質問があるなら、答えられる選手が8人いる。私、スティーブンス、ドナ・ベキッチ（クロアチア）、クリスティーナ・マクヘイル（アメリカ）、クリスティーナ・ムラデノビッチ（フランス）、ガブリエラ・ダブロウスキー（カナダ）、マグダ・リネッテ（ポーランド）、ジェシカ・ペグラ（アメリカ）。ジェシカは加入したばかり」

ウインブルドンの前にグラスコートでプレーする予定？

「私は今年のためにいろんなスケジュールを立てたけど、すべてが予定通りにならなかった。1日1日対処していきたい。自分が失望しないことを祈っている。神を笑わせたいなら、自分のスケジュールを言ってみるといい。今はそんな気持ち」

多くの選手がウインブルドンでプレーしないと発言している。その価値が下がるのではないか。

「選手の数だけ意見があると思う。だから難しい。私のツアーでの経験からは、選手は多くのことを発言するけど、実際はその言葉とは違う行動を取ることがある。だから、今はそれらの発言をすべて真に受けないようにする。そしてどうなるか様子を見る」