「テニスが本当に好きならウインブルドンに出るでしょ?」1回戦突破のプリスコバ [フレンチ・オープン]
今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月22日~6月5日/クレーコート)の女子シングルス1回戦で、第8シードのカロリーナ・プリスコバ(チェコ)がワイルドカード(主催者推薦枠)で出場したテッサ・アンドリアンジャフィトリモ(フランス)を2-6 6-3 6-1で倒した。
「第1セットはあまりよくなかった。スタートはよくなかったけど、最後のほうは悪くなかった。第2、第3セットでは安定していた。ストローク戦に自信があったし、相手にプレッシャーを掛けられたと思う。彼女はあまり仕掛けてこなかった。とにかく何度も何度もボールを返してきただけ。私のスタートが悪かったせいで、彼女に勝てると思わせてしまったかもしれない。でも試合が進むにつれてよくなっていった」
ウインブルドンでポイントが加算されない影響で、女子ツアーの中で君はもっとも多くのポイントを失う(昨年準優勝)。どう思う?
「そうね(笑)。私にとってはかなり悪いニュース。アシュリー・バーティ(オーストラリア)が一番ポイントを失うけど、彼女は引退しているから恐らくポイントに影響されない。でもそれが今回の決定だから。私の意見を言えば、最悪の決定で厳しく、フェアじゃない。でもどうしようもない。それでも間違いなくウインブルドンには出場する。私がプレーするのはポイントのためでも、賞金のためでもないから。ただ勝ちたいし、成功したいから。昨年優勝にあと一歩だったし、今年はトロフィーを獲れるかもしれない」
「それでも決定が完全に間違っているという考えは変わらない。ウインブルドンの決定もだけど、WTA(女子テニス協会)の決定は更に酷い。でも多くの議論が交わされた。政治が絡んでくるから、この決定を覆すことはあり得ないと思う。このような状況の中で、選手の声は小さすぎるとは言わないけど、そこまで重要視されてないんだなと思った」
議論をしたと言ったけど、自分の意見はどこまで言う機会があった?
「いい? 私は選手協会のメンバーじゃないから、あまり関わっていない。凄く積極的に関わっている選手もいれば、私は全然そうじゃない。ただ自分の意見を言っただけ。昨年のポイントの最低でも半分、本来ならすべてが守られるべき。コロナのときは、そうなったじゃない? 大会がないときは、ほとんどの選手が1年か2年ポイントを失うことがなかった」
「だから、今回の決定は誰の助けにもならない。ウインブルドンを罰したかもしれない。でも、テニスが好きな選手なら、ほとんど出場すると思う。だから結果的には選手を罰することになってしまった。この決定の理由もよくわからない。これが最良の決定じゃないけど、WTAの考えは違ったかもしれない。これは政治みたいなもの。両サイドから多くの意見、議論、プレッシャーがあったことは想像できる」
「簡単な状況じゃない。誰にとってもいいことではないし、この決定が何かの助けになるとも思わない。WTAはポイントを剥奪したけど、それは誰の助けにもならない。それが私の個人的な見解」
選手たちの間ではどんな意見が出ているんだろう?
「次の疑問は賞金をカットするのかどうか。もしカットするなら欠場する選手も出てくるはず。実際、他の選手とそんなに話さないから、皆の意見はわからない。私以外にも昨年のポイントを保持したい人はいると思う。でも私のように1000ポイント失う選手もいれば、昨年1回戦で敗退した選手は、あまり痛くない。私だってもし昨年1回戦負けだったら、痛くない。個々の選手によって状況は全然違う」
「だから、恐らくすべての選手にそれぞれの考えがある。この前、トップ10の女子選手でWhatsAppで意見交換したけど、たった10人でも皆がひとつのことに同意できなかった。そうなると、決定を下すのは難しい。選手も平等じゃないんだから。何人かはポイント無し、他の子たちは半分のポイント加算を希望した。皆の意見がバラバラだった。そういうことなの」
デニス・シャポバロフ(カナダ)がウインブルドンでポイントをもらえないから、このフレンチ・オープンで頑張らないといけない、プレッシャーが大きいと言っていた。君もそう思う?
「まったく思わない。まず私の年齢ではもうポイントを気にしていない。私のランキングが50位だとしても、私の唯一の目標はグランドスラム大会でトロフィーを勝ち獲ること。大会の本戦に出られるなら、ポイントは気にしていない。当然いい成績を残したいし、50位まで落ちたくない。ポイントは本当に考えていない。ただ、ポイントを加算しない決定は完全に間違っていると思う。もしウインブルドンで変わらずポイントが加算される中で、私は1回戦で敗退したら、結局昨年のポイントをすべて失うことになる。でもその場合、自分でポイントを守るチャンスはあったのだから納得できる。フレンチ・オープンでは何も影響はない。当然プレッシャーはあるけど、ポイントやウインブルドンからくるものではない」
大坂なおみ(フリー)はウインブルドンを欠場するかもしれないと言った。ランキングを凄く気にしているのに。それでもほとんどの選手が出ると思う?
「テニスが本当に好きなら出るはず。もちろん、ケガなどがあったら全然状況は異なる。お金がないと出られないしね。彼女はポイントのためにプレーしていないけど、大会自体そんなに出ていないから、ポイントは関係ないと思う。ポイントも賞金もないなら、家に留まるにはこれほど絶好のタイミングはない。でも私は違う。それに私は今シーズンの最初はケガで欠場していた。だから何があってもウインブルドンでプレーしたい」
写真◎Getty Images
Pick up
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-11-29
第63回テニマガ・テニス部「テニス丸ごと一冊サービス[増補版] 解説編』キャンセル待ち受付中
キャンセル待ち受付中=====テニマガ・テニス部 部活プ
-
PR | 2024-10-20
『ノアから世界へ』——ノア・テニスアカデミー所属、駒田唯衣選手&富田悠太選手インタビュー
全国に35校のテニススクールを展開する業界大手の『ノアイ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ
Related
Pick up
-
2024-10-08
テニス丸ごと一冊サービス[増補版] QRコード(動画)付(堀内昌一 著)書籍&電子書籍
「テニスマガジン」のサービス特集をきっかけに、MOOK「テニ
-
2024-11-29
第63回テニマガ・テニス部「テニス丸ごと一冊サービス[増補版] 解説編』キャンセル待ち受付中
キャンセル待ち受付中=====テニマガ・テニス部 部活プ
-
PR | 2024-10-20
『ノアから世界へ』——ノア・テニスアカデミー所属、駒田唯衣選手&富田悠太選手インタビュー
全国に35校のテニススクールを展開する業界大手の『ノアイ
-
2024-05-03
『テニスフィジバト道場』(横山正吾 著)テニスプレーヤーのための最新フィジカルトレーニング
Tennis Magazine extraシリーズテニスプレ
-
2024-02-05
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(荒木尚子/著)
子どもが主体的に動き出すために大人はどうかかわればよいのか(
-
2022-12-05
勝つための“食”戦略 『最新テニスの栄養学』(高橋文子著)
Tennis Magazine extra シリーズ最新テニ