ルードが初のグランドスラム決勝でナダルと初対決「待った甲斐があった」 [フレンチ・オープン]

写真はグランドスラム大会での自己最高成績を大きく更新して決勝進出を決めたキャスパー・ルード(ノルウェー)(Getty Images)


 今年2つ目のグランドスラム大会「フレンチ・オープン」(フランス・パリ/本戦5月22日~6月5日/クレーコート)の男子シングルス準決勝で、第8シードのキャスパー・ルード(ノルウェー)が第20シードのマリン・チリッチ(クロアチア)を3-6 6-4 6-2 6-2で下してグランドスラム初優勝にあと1勝と迫った。

 まだ23歳ながらルードは試合を通し、何度も大舞台の決勝を体験しているベテランのチリッチに勝るとも劣らない落ち着きを見せた。

「これは鍛錬によって身につけたものなんだ。子供時代の僕は凄く泣き虫で、ネガティブな性質だったんだよ」とルードは勝利後のオンコートインタビューで明かした。

 この試合では第1セットでこそチリッチが強打で主導権を握ったが、時間を追うごとにリズムを掴んだルードは第4セットに入ると堅固さを保ちながら打つべきところでは打つテニスで苦も無く試合を牛耳った。

「僕にとって素晴らしい試合だった。最高のスタートを切った訳じゃないけど、それはマリンがとてもいいプレーをしていたからでもあった。だから第2セットからは戦略を変えてよりスピーディにプレーするようにして、こちら側のレベルを引き上げたんだ。僕は途中まで守備的過ぎたけど、第2セットでブレークしてそこからリズムを掴んで勢いに乗ることができた。あのブレークのあと、僕は今季では最高レベルのプレーをした。サービスもよく、アグレッシブにプレーしていた。今日のパフォーマンスにはとても満足しているよ」とルードは試合を振り返った。

 最終日の決勝で、ルードは「完璧なお手本で、僕にとって生涯のアイドル」と呼ぶ第5シードのラファエル・ナダル(スペイン)と対戦する。先に準決勝に臨んだナダルは、右足首を捻るアクシデントに見舞われた第3シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ)が第2セット途中で棄権したため勝ち上がっていた。

 ルードは2018年9月から、マヨルカにあるナダルのテニスアカデミーで練習してきた。彼の父で同じく元ツアー選手のクリスチャン・ルード(ノルウェー)はナダルのアカデミーで練習したことが「正直に言って、キャスパーの成長を大いに助けた」と話しており、「キャスパーは小さな頃からナダルに憧れていて、子供のときには彼のフォアハンドを真似したがっていたんだ」と明かしていた。

 そしてふたりは、これがツアーでの初対戦でもある。

「素晴らしいことだよ。彼(ナダル)は僕がプレーしたことがない唯一の『ビッグ3』なんだ。これは完璧なタイミングだから、待った甲斐があったよ。グランドスラム大会決勝で彼とついに対戦できるなんて、僕にとって特別な瞬間になる。彼にとっても、ちょっぴり特別な瞬間となるよう祈るよ。彼は本当に多くの決勝でプレーしてきたけれど、今回は彼のアカデミーの生徒と対戦することになる訳だからね! 楽しい試合になるよう願っている」

続きを読むには、部員登録が必要です。

部員登録(無料/メール登録)すると、部員限定記事が無制限でお読みいただけます。

いますぐ登録

写真◎Getty Images

Pick up

Related

Ranking of articles