前年覇者ベレッティーニがクドラに辛勝で2回戦を突破「彼は試合の大部分で勝つに値した」 [ATPロンドン]
ATPツアー公式戦の「シンチ選手権」(ATP500/イギリス・ロンドン/6月13~19日/賞金総額227万5275ユーロ/グラスコート)の男子シングルス2回戦で、第2シードのマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)が大いに苦労した末にラッキールーザー(予選決勝で敗れたが欠場者が出たため本戦出場権を得た選手)のデニス・クドラ(アメリカ)を3-6 7-6(5) 6-4で倒してベスト8に進出した。
「本当に厳しい試合だった。僕たちはお互いをよく知り合っている。何とか困難を潜り抜けて勝つことができてよかったよ。彼は非常にいいプレーをし、試合の大部分で勝つに値したと思う。でも僕も何とか踏ん張って、切り抜けられて本当にうれしいよ」とベレッティーニは試合後のオンコートインタビューで語った。
昨年の優勝者であるベレッティーニは自分のベストテニスができず、苦戦を強いられた。クドラは試合の大部分で高い集中力と一貫性を見せたが、それでも勝つために十分ではなかった。彼は第3セットで先にリードされながらブレークバックして4-4と追いついたが、次のゲームで堅固さを保つことができずふたたびサービスゲームを落としてしまった。
「昨年の最初の試合から、多くの応援を受けている。それもあり、ここが大好きなんだ。クラブもそうだけど、観客は信じられないほど素晴らしい。彼らは今日、僕を大いに助けてくれた。ありがとう」とベレッティーニは観客にお礼を言った。
ベレッティーニは次のラウンドで、復帰の過程を続けているスタン・ワウリンカ(スイス)を6-1 6-4で破って勝ち上がったトミー・ポール(アメリカ)と対戦する。
2日がかりとなった1回戦で第6シードのデニス・シャポバロフ(カナダ)を倒していたポールは、「2年前に聞かれたなら、グラスコートは僕のもっとも苦手なサーフェスだと言っていただろう。でもコーチのブラッド・スタイン(アメリカ)と一緒に働き始めたとき、彼がグラスコートは最終的に僕のもっとも得意なサーフェスになるだろうと言ったんだ。僕はその言葉を信じ、グラスコートでのプレーを作り上げようとしてきた。僕は今、グラスコートで心地よさを感じている。来年あたりに、グラスコートが僕の最高のサーフェスとなっているよう願うよ」と話した。
「僕は自分がうまくサーブ&ボレーをしていると感じているけど、今日はやろうとするたびにファーストサーブをミスししまってあまり使う機会がなかった。さっきティム・ヘンマン(イギリス)に会ったんだけど、『ボレーをあんなにミスしてしまいすみません』と謝ったよ。僕は彼のプレースタイルが好きで、彼のファンなんだ。僕はグラスコートではネットに出るスピーディなプレーが好きなんだ」
そのほかの試合ではフィリップ・クライノビッチ(セルビア)が予選勝者のサム・クエリー(アメリカ)を4-6 6-3 6-4で、ワイルドカード(主催者推薦枠)で出場した世界ランク180位のライアン・ペニストン(イギリス)はフランシスコ・セルンドロ(アルゼンチン)を6-0 4-6 6-4で下し、勝ち上がった両者が準々決勝で顔を合わせることになった。
1回戦で第1シードのキャスパー・ルード(ノルウェー)から金星を挙げていた26歳のペニストンは、夢の快進撃を継続させた。わずか1歳のときに横紋筋肉腫という一種の皮膚癌を患った経験を持つ彼は当時のことは覚えてはいないとしながら、その病を克服したと事実は自分の人生の展望を大きく変えたと明かした。
ペニストンはルードに勝ったあと、「何か辛いことがあったとき、自分は25年前にいなくなっていたかもしれなかったのだということを思い出す。そう考えるとリラックスしてすべてを楽しもうという気持ちになるし、辛い日がそう辛くはなくなるんだ」と話していた。
写真◎Getty Images
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