「戦術の一部で敬意を欠いていない!」1回戦突破のマレーがアンダーサーブを語る [ウインブルドン]

ウインブルドン1回戦でジェームズ・ダックワース(オーストラリア)を退けたアンディ・マレー(イギリス)(Getty Images)


 今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月27日~7月10日/グラスコート)の男子シングルス1回戦でアンディ・マレー(イギリス)がジェームズ・ダックワース(オーストラリア)を4-6 6-3 6-2 6-4で倒し、試合を振り返った。

「相手のスタートがよかった。彼がチャンスを生かしたのに対し、僕はチャンスを生かせなかった。でも徐々にリターンがよくなり、形勢を逆転できた」

君はこの試合でアンダーサーブを打った。あまり好意的でない人たちには何と説明する?

「彼がリターンのポジションを変えたから打ったんだ。ファーストサーブのリターンで苦戦していたから、2mくらい下がったと思う。アンダーサーブを打つ選手について、僕は特に意見はない。最近は多くの選手がベースラインのかなり後ろで構えるようになってきた。“そんなに後ろで構えるなら、浅くも打つよ!”というメッセージだよ。アンダーサーブが敬意を欠くという考えは理解できない。一つのサービスの打ち方だ。相手がベースライン上にいるのに、打ったりはしないさ。簡単に拾えるから。でも、4~5m後ろにいるなら、打つよ。相手が心地よい場所から、前に出るように仕向けるのは戦術的なやり方でもある。それをやっていけない理由などない。逆にリターンのときに6m後方で構えることに対しては、誰も敬意を欠くとは言わないじゃないか。僕は相手に敬意を欠くからやったんじゃない。相手に、そんなに後ろに構えたら、こういうやり方もあるんだと見せただけだ」

今日も屋根が閉じたセンターコートでナイトセッションだったが、どう感じている?

「好きな部分も、好きじゃない部分もある。雰囲気は素晴らしい。屋根を閉じる時間が必要で試合時間が遅くなるのはマイナス面かな。4-4などセットの途中で閉じる訳にはいかないし、セット間になるから、そこでコンディションが変わる難しさもある。僕は外の試合のほうが好きだ。最初から最後まで外でのプレーが望ましい。試合の途中で12分くらい中断して屋根を閉じると、リズムが狂いやすい。大事な場面で中断が入るのはよくない」 

体の調子はどうだった?

「今日はよかったよ。この数日サービスの調子もいい。土曜日の練習後、よくなっていることを確かめるためにスキャンによる検査を受けたんだ。いい状態だったよ。ケガが完全に治っていることを確かめたかったんだ。今でも注意が必要だし、その部位を強化するためのリハビリも続けている。試合中、何も問題はなかった」

現在の調子、シュツットガルトでの準優勝を踏まえて、今大会は2016年のように勝ち進むことができると感じている?

「わからないな。昨年の大会よりはずっといい状態だ。2017年の大会に比べても、痛みはなくなっている。勝ち進めるかどうかわからない。次の相手ジョン・イズナー(アメリカ)は難しい相手だ。まずはこの試合を勝ち抜かないといけない」

ランキングが落ちている中、センターコートでプレーするのはどんな心境?

「僕はどのコートでも関係ない。どこでもプレーするだけだ。これまでセンターコートでたくさん試合をしてきたのは幸運だと思う。センターコートは好きだし、心地よくプレーできる。今後もプレーできればいい。ただし、できなくたって、全部同じテニスコートでサイズも一緒。どのコートでも変わらない」

これまでビッグサーバー相手に凄くいい成績を残している。イズナーとの試合はどう?

「なぜ成績がいいのか見当がつかない。テニスというスポーツの特性から、彼らを相手に主導権を握るのは難しい。4~5ゲーム続けて、まったくブレークするチャンスがなかったりするんだ。リズムも掴めない。理由は何にせよ、彼ら相手にいい成績が残せているのはいいことだ。イズナーとの相性は凄くいいはず(8勝0敗)。でも、グラスコートで対戦したことがない。だから、過去とはまた違ったチャレンジになる。彼はこのサーフェスが得意だし、数年前は決勝までかなり近づいた。いいプレーをしないといけないし、今日の試合よりいいリターンをしないと勝ち抜けないだろう」

シュツットガルトでケガをしてクイーンズを欠場したのは残念だが、家族と過ごす時間が取れてよかった?

「そうでもないかな。少しだけ時間を取れたけど、そんなに多くなかった。これまでのように毎日トレーニングで忙しかった。でも僕にとってグラスコートシーズンは、家族、友人が周りにいてくれるから、プラスになるんだ。イギリスなら父にも会えるし、子供たちとの時間も取りやすい。もちろん妻ともね(笑)。自宅で、自分のベッドで寝られるのは大いに助けになるよ」

君がこのように戻ってきたことがうれしい。ただ、絶頂期に比べて落ちている部分はどんなところだと感じている?

「ここでは明かさないよ! 過去のデータと比べると、以前ほどうまくできていないプレーは間違いなくあるはずだ。でもボールを打つ感触、ショットはあまり変わっていない。2016年は80試合くらいプレーしたけど、そのあとはたぶん5年間で80試合くらいしか出場していない。トッププレーヤーと継続的に対戦して勝つ経験を、他の方法で補うことはできない。この4~5年で、昨年の終わり頃にようやく、大会に継続的に出場して上位を狙えるようになってきた。今年はマイアミのあと、グラスコートシーズンに向けていいトレーニングができた。プレーもどんどんよくなっている。それが今年ずっと続くことを願っているよ」

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写真◎Getty Images

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