2児の母マリアが準決勝へ「私は進み続け、戦い続けた。それが私がやったこと」 [ウインブルドン]
今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月27日~7月10日/グラスコート)の女子シングルス準々決勝で、34歳のタチアナ・マリア(ドイツ)が自国の後輩でもあるユレ・ニーマイヤー(ドイツ)とのノーシード対決を4-6 6-2 7-5で制してベスト4進出を果たした。
キャリアで初めてグランドスラム大会の2週目に勝ち残った世界ランク103位のマリアは、2015年ウインブルドンで3回戦に進出したのがこれまでの最高成績だった。勝ち上がる過程で3人シード選手を乗り越えてきたマリアは3回戦で第5シードのマリア・サカーリ(ギリシャ)を倒し、4回戦では第12シードのエレナ・オスタペンコ(ラトビア)に逆転勝利をおさめていた。
最終セット2-4から挽回して準決勝行きを決めたマリアは勝利を決めたあと、「興奮で鳥肌が立っているわ。本当に厳しい試合だった。私たちは今日、ドイツを誇らしい気持ちにさせたと思う。家族やふたりの娘たちとこれを経験することができるなんて夢のようよ。僅か1年前に出産したというのに。クレイジーだわ」と喜びを吐露した。
これはアンジェリック・ケルバー(ドイツ)がサビーネ・リシツキ(ドイツ)に勝った2012年以来のドイツ人対決のウインブルドン準々決勝だった。
ニーマイヤーはマリアのやや不安定な立ち上がりにつけ込んで先にブレークし、自分のサービスゲームはきっちりキープして第1セットを先取した。ニーマイヤーは第2セットでもボレーやロブなど様々なショットで見せて先行したが、自らのダブルフォールトでマリアに挽回のきっかけを与えてしまった。マリアはチャンスを逃さず直ちにブレークバックし、そのいい波に乗って第2セットを取り返した。
第3セットでのニーマイヤーはダブルフォールトを含めたミスを減らし、マリアの崩れにも便乗して先手を取る攻撃的プレーでまたも先に相手のサービスゲームを破った。しかしマリアは驚くべきディフェンス力を駆使してじりじりと巻き返し、スライスのフォアハンドをうまく使って挽回劇を完了させた。22歳のニーマイヤーにとってウインブルドン本戦出場は今年が初めてで、グランドスラム本戦自体も2度目だった。
「ドイツ人との対戦は難しかった。彼女のことはよく知らないの。一緒に練習したこともなかったしね。だからまったく新しい経験だったわ」と明かしたあと、マリアは相手の戦略に対応するために少し戦法を調整したことについて「こうなるんじゃないかということは何となくわかっていたから、このことは頭の中にはあった。戦略を変えるというのは凄く難しいことだけど、私はやり方を少し変えなければならなかった」と話した。
「やってのけられてうれしいわ。第3セットで2-4とリードされているときにも私は進み続け、戦い続けた。それが私がやったことだったのよ」
マリアは準決勝で、マリー・ブーズコバ(チェコ)を3-6 6-1 6-1で破って勝ち上がった第3シードのオンス・ジャバー(チュニジア)と対戦する。
写真◎Getty Images
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