“ナダルの代わりにフリッツが準決勝へ?!”ラッキールーザー導入論が巻き起こる [ウインブルドン]
今年3つ目のグランドスラム大会「ウインブルドン」(イギリス・ロンドン/本戦6月27日~7月10日/グラスコート)でラファエル・ナダル(スペイン)がケガのために男子シングルス準決勝を棄権したことにより、ニック・キリオス(オーストラリア)が準決勝を戦わずに決勝戦に進むことが決まった。だが、この決定を快く思っていない人々がいる。
ニューヨークタイムズの記者クリストファー・クレイリー氏はラッキールーザー(敗者復活)を採用して準々決勝でナダルに敗れたテイラー・フリッツ(アメリカ)がキリオスと対戦すべきだと主張する。
「珍しいケースだが、考慮する価値はある。グランドスラムでここまで大会が進んだ時点で選手が棄権した場合、その選手に負けた選手が代わりに戦うべきだ」
女子の元スター選手、パム・シュライバー(アメリカ)もラッキールーザーに賛成だ。
「テイラー・フリッツがいいと思う。テニス界はラッキールーザールールの内容を再考すべきじゃない?」
フリーランス記者のニック・マッカーベル氏は深く検討すべき問題だと主張する。
「ナダルが準々決勝に勝って、準決勝を戦えないことはウインブルドンにとってどんなメリットがある? 何もない。テニスはこの年一番盛り上がる試合の一つを失った。WTAファイナルズ、ATPファイナルズでは、予選グループで負けても優勝できるフォーマットなのに、グランドスラム大会で導入できない理由があるのか? 議論する価値がある」
だが、これらの主張はすべてフリッツと同じアメリカ人によるもので、それに対してファンによる反対意見も多い。
「ATPファイナルズでは2度負けても優勝できる。だから、その価値はエキシビションマッチの域を出ないんだ。もしフリッツをラッキールーザーと認めたら、グランドスラム大会の真の価値が失われる」
フリッツ自身は冷静に、自分には準決勝を戦う権利がないと語った。
「何も助けを求めていない。僕は準々決勝でナダルを倒せなかったのだから、準決勝を戦う権利などない。単純なことだよ」
写真◎Getty Images
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