「700杯くらい飲んだような酔っ払いをつまみ出せ!」決勝でアンパイアに詰め寄るキリオス [ウインブルドン]

サービスを打つ瞬間に邪魔されるとアンパイアに主張し続けるニック・キリオス(オーストラリア)(Getty Images)


 ウインブルドン決勝の第3セット2-2でのニック・キリオス(オーストラリア)が、自身のサービスゲームでアンパイアに詰め寄るシーンがあった。

 観客の中の一人の女性がプレーの邪魔をしているとアンパイアに主張した。40-30でのセカンドサーブを打つ瞬間に女性の声が聞こえ、打つのを止めてアンパイアに一言不平を言ってからダブルフォールト。そこでキリオスに警告が与えられた。

 そのあとにアンパイアからはファーストサーブとセカンドサーブの間に声を出さないように会場全体に向けてアナウンスされる。だが、ベンチに座ったキリオスは収まらない。

キリオス「ウインブルドン決勝でサービスを打とうとしているときに邪魔している。これ以上のチャンスはないんだ。君は俺を信じてくれなかった。彼女はまた同じことをした。もう少しでゲームを落とすところだった。どうして彼女はまだ会場にいるんだ。酔っぱらって正気を失ってプレーの合間に邪魔をしてくる。何がOKなんだ?」

アンパイア「何もOKじゃない」

キリオス「じゃあつまみ出せ!」

アンパイア「でもどの女性かわからない」

キリオス「俺はどの女性かわかっている。ドレスを着ていて…、700杯くらい酒を飲んだように見える奴だ」

 そこでアンパイアはスタッフと連絡を取り、その人物を特定できるか確認する。

 その場面をキリオスが試合後の記者会見で振り返った。

「彼女のせいでゲームを落としたとは言わない。でも史上最高の選手の一人を相手にウインブルドン決勝を戦っている最中だ。俺がサービスを打つときに、誰かが自分に何かを叫んでいる。素晴らしい試合だった。俺に対してファーストサーブとセカンドサーブの間に話しかけるのは…、やり過ぎだ。アンパイアにも伝えたんだ。彼女が酔っぱらって、俺にたくさん話しかけてくる。どうすればいいんだ?と聞かれた。あのような状況では、彼女に水を飲ませるか、退場させるかしかないと思う」

 それに対して記者が“彼女は2杯しか飲んでいないと言っていた”と反論すると、キリオスは納得できない表情を浮かべる。

「それがウインブルドン決勝のポイント間でキリオスに話しかけてもOKという理由にはならない。何故それをOKにしようとするんだ? 何故?」

そこで他の記者が、試合中にTシャツにメッセージを書いて抗議しようとした観客が連れ出された出来事について質問する。

「気付いたけど、まったく邪魔されなかった。何も見えてもいないし、聞こえもしなかった。何人かの人間が彼を連れ出したのは見えた。でも、今の質問にトライしてくれたのはうれしいね。本当にいいよ!」

 一瞬険悪な雰囲気になったが、質問を切り替えてくれた記者に対して笑顔を浮かべ、すぐに機嫌を取り戻したキリオスだった。

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写真◎Getty Images

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