『世界選抜』が5度目の正直で大会初優勝、オジェ アリアシムとティアフォーが立役者に [第5回レーバー・カップ]
2017年に創設された『欧州選抜vs世界選抜』のチーム対抗戦「第5回レーバー・カップ」(イギリス・ロンドン/9月23~25日/室内ハードコート)は最終日を迎え、世界選抜が欧州選抜の5連覇を阻止して大会初優勝を飾った。
初日が1ポイント、2日目が2ポイント、3日目は3ポイントと日を追うごとに1勝の価値が上がるため終盤の挽回が可能となるシステムが売りの同大会だが、今回はこれが大きな力を発揮した。世界選抜は2日目を4対8で終えたものの、この日は最初の3試合を接戦の末に制したことで最終試合を待つことなく13対8で逆転勝利をおさめた。
世界選抜の監督を務めたジョン・マッケンロー(アメリカ)は勝利の瞬間に全身で喜びを表現し、「パーティを直ぐに始めたいからあまり長く話したくはないが、まずは私のプレーヤーたちに感謝したい」と表彰式で語った。
「彼らはエネルギー、信念、インテンシティ(激しさ)をもたらしてくれた。特に僕の右腕である弟のパトリックにお礼を言いたい」
ジョンの弟であるパトリック・マッケンロー(アメリカ)は今回、副キャプテンとして選手起用などの采配をサポートしていた。
この日はまず第1試合でフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)/ジャック・ソック(アメリカ)がマッテオ・ベレッティーニ(イタリア)/アンディ・マレー(イギリス)に2-6 6-3 [10-8]で競り勝ち7対8と追い上げ、第2試合でオジェ アリアシムが元世界ナンバーワンのノバク・ジョコビッチ(セルビア)を6-3 7-6(3)で破る金星を挙げて世界選抜が初めて勝ち点で10対8とリードを奪った。
第3試合で欧州選抜が勝てばふたたびリードして勝負はキャスパー・ルード(ノルウェー)とテイラー・フリッツ(アメリカ)の最終試合にかかるはずだったが、USオープンでも好調だったフランシス・ティアフォー(アメリカ)が第1セットを簡単に落としながらもそこから挽回してステファノス・チチパス(ギリシャ)を1-6 7-6(11) [10-8]で倒し、チームの勝利を決めた。
ティアフォーは4つのマッチポイントを凌いだ末に第2セットをもぎ取り、勝負を最終セットのスーパータイブレークに持ち込んでいた。
勝利の瞬間コートに倒れてなだれ込んでくるチームメイトにもみくちゃにされたティアフォーは、「信じられないような感慨だ。僕たちの監督であるジョニー・マック(ジョン・マッケンロー)は負け続けることにうんざりし、5度目のトライである今年は絶対にやってのけなければならないと言っていた。大会前の練習中も含め、僕は今週を通して今年こそ僕たちの年だと言い続けていたんだ」と試合後のオンコートインタビュー明かして喜びを爆発させた。
「今日はフェリックスがノバクを倒し、ジャックとフェリックスは素晴らしいダブルスをプレーした。僕だけじゃない、僕たちは皆で一緒にやってのけたんだ。この勝利を掴むために、僕らはハートを見せた。これはデカいよ。今夜はお祝いだ!」
写真◎Getty Images
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