19歳のマスターズ新チャンピオンが誕生、勢い止まらぬルーネがジョコビッチを倒してトップ10デビューを決める [パリ・マスターズ]
ATPツアー公式戦の「ロレックス・パリ・マスターズ」(ATP1000/フランス・パリ/10月31日~11月6日/賞金総額600万8725ユーロ/室内ハードコート)の男子シングルス決勝で19歳のホルガ・ルーネ(デンマーク)がディフェンディング・チャンピオンで第6シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア)を3-6 6-3 7-5で倒し、ATPマスターズ1000大会では初となるタイトルを獲得した。
「これは僕にとって膨大な意味がある。完璧な1週間の締めくくり方だったよ。ノバクとコートを分かち合えるなんて光栄なことだよ」とルーネは試合後にコメントした。
第1セットを落したルーネは第2セット第1ゲームで0-40とされながら挽回し、第3セットでは1-3から巻き返すと6-5からサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップでは6つのブレークポイントをセーブしてキャリア最大の勝利をもぎ取った。
アドバンテージを握っているとはいえやはり敗北の可能性を感じているジョコビッチはナーバスな様子を滲ませながらも意地を見せたが、何とか冷静さを保ったルーネは高いディフェンス力を見せて簡単にはポイントを与えず、ときには果敢にネットに出てプレッシャーをかけることで相手のミスを引き出した。
6度目のブレークポイントをファーストサーブで跳ね返したあとバックサイドへの深いショットでジョコビッチにミスを強いて2度目のマッチポイントを手にしたルーネは、前に出たジョコビッチの足元にパスを沈めてボレーがネットにかかるのを見届けるとコートに仰向けに倒れて勝利を祝った。
「あれは僕の人生でもっともストレスの大きかったゲームだった。心臓が脳まで届きそうだったよ。僕はもうタイブレークについて考え始めていた。でもそこで終わらせることができたことをとても誇りに思っている」とルーネは最後のゲームを振り返った。
今大会を含めて4大会連続で決勝に進出してここ21試合で19勝を挙げたルーネは今週の快挙により大会後に更新される世界ランクでトップ10デビューが確定し、イタリア・トリノで開催される世界トップ8によるエリート大会「Nitto ATPファイナルズ」の補欠1番手となったため次週にイタリア・ミラノで行われる男子21歳以下のトップ8対決「Next Gen ATPファイナルズ」の出場を取り消した。
世界ランク1位のカルロス・アルカラス(スペイン)が左脇腹のケガでATPファイナルズを欠場したためレースランキング(Race To Turin)で9位のテイラー・フリッツ(アメリカ)が繰り上がり、10位のルーネは更に欠場者が出た場合の代役としてスタンバイすることになる。
「正直に言って、凄く気持ちがいいよ。最高の気分だ」とルーネは喜びを表現した。
「4週間前に僕がトップ10になると誰かが言ったら、僕は『はぁ? 何だって?』と返していただろうね。今は実際にここに至り、本当に誇らしく感じているよ」
決勝に進出する過程の2回戦で当時世界10位のホベルト・フルカチュ(ポーランド)、3回戦で同9位のアンドレイ・ルブレフ(ロシア)、準々決勝で同1位のカルロス・アルカラス(スペイン)、準決勝では同8位のフェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)に勝っていたルーネは、5試合連続でトップ10プレーヤーを破って栄冠に輝いた。彼はまた1回戦で、3つのマッチポイントを凌いだ末に元世界ランク3位のスタン・ワウリンカ(スイス)に競り勝っていた。
これに先立ち行われたダブルス決勝では、第2シードのヴェスレイ・クールホフ(オランダ)/ニール・スクプスキー(イギリス)がイバン・ドディグ(クロアチア)/オースティン・クライチェク(アメリカ)を7-6(5) 6-4で下して今季7勝目を挙げた。
男子ダブルス優勝のヴェスレイ・クールホフ(オランダ/左)とニール・スクプスキー(イギリス)(Getty Images)
写真◎Getty Images
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